技術・製品

外科特化型生成AI開発【Direava】

手術状況から「次にどうすべきか」推論・対話

慶応義塾大学医学部発の医療系スタートアップのDireava(社長=竹内優志氏、ディリーバ)は、NEDOと経済産業省が実施する生成AI開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC」の一環として「外科手術支援のための視覚・言語統合型AI基盤モデルの開発」事業に取り組み、手術状況をリアルタイムに理解し、対話する国内初の外科特化型生成AI「Surgicl VLM」を開発した。

従来、外科領域で活用されている生成AIは、画像認識によって患者の臓器や血管などを特定する「解剖認識(目の機能)」に留まっていた。今回、開発した外科特化型生成AIは、手術状況から「次にどうすべきか」「何に気をつけるべきか」を推論・対話できる「高度な状況理解(頭脳の機能)」を実装し、外科医と高度な対話を行うことができる。

開発にあたっては医療現場の膨大なデータを生成AIに学習させることで、手術の進捗をリアルタイムに把握し、外科医や医学生と対話可能なモデルの構築に成功した。

開発した外科特化型生成AIの臨床有用性や教育効果を検証するため、慶応義塾大学病院手術室で実証実験(2月20日)が行われ、解剖学的正確性、臨床的有用性、文章の流暢性における評価で80%以上を満たすかどうかを検証した。その結果、解剖学的正確性が84.7%、臨床的有用性が82.9%、文章の流暢性が97.4%と目標値を満す成果を得て、外科手術の進行状況を正確に認識することが確認された。

さらに、手術現場で求められる適切な情報の提示や、専門的な外科用語を用いた自然な対話が成立するなど、医療教育現場での実践的な有用性も実証された。

同社では今回、開発した外科特化型生成AIの事業化に向けた研究開発と実証を引き続き進め、2026年中の事業化(サービス提供開始)を目指し、対応可能な症例の拡大やシステム操作性の向上への実証実験を追加実施していく。