杉田クリップ「販売50周年」【ミズホ】
世界70か国、累計300万個を出荷

ミズホ(社長=根本裕司氏、東京都文京区)が1976年から販売している「杉田クリップ」が販売50周年を迎えた。杉田クリップはくも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の根元を金属性のクリップで挟み、血流を止めることで再破裂を防ぐ手術器具。名古屋大学の故・杉田虔一郎教授の思想を基に誕生し、半世紀にわたり進化を続けてきた。
日本の医療機器産業の黎明期は、輸入品に頼らざるを得ないのが実情で、脳動脈瘤クリップに関しても当時は輸入品が使用されており、品質や操作性ともに安定していない状況で、多くの医師が困難を抱えていた。
杉田教授の思いをミズホが製品化
そのような現状を憂慮した、脳外科医の杉田教授は「どんな医師が使っても高い効果を出せる器具があれば、より多くの患者を救うことにつながる」という思いのもと、ミズホと杉田クリップを共同で開発した。
杉田教授は脳の奥深くでも操作しやすいよう、手元と先端がオフセットしている形状(バイヨネット型)や、手前にある血管または神経を避けられる形状(窓付型)のクリップなどを考案。これをミズホの高い加工技術により製品化し、杉田クリップは社会実装された。以後、杉田クリップはチタン合金の採用や、百数十種類におよぶ多彩なラインナップの拡充、本体のスリム化――など臨床ニーズに応じた改良を重ねてきた。
発売以来、杉田クリップは精密な加工技術と職人による最終仕上げによって生み出された高い品質により、米国をはじめ世界各国の医療機関でも高く評価され、50年間で世界70か国、累計300万個以上の出荷実績を有している。
近年、脳動脈瘤治療は血管内治療が大きく発展してきたが、複雑形状や広頸部動脈瘤、再発例、若年患者などクリッピング術が選択されるケースは今なお存在している。安全で確実な開頭クリッピング術を支える信頼できるクリップの存在は不可欠となっている。
杉田クリップの販売50周年にあたり、ミズホの根本社長は「長期にわたり供給を維持できたのは、国内外の販売パートナー企業のご支援のおかげで、医療機関への情報提供、各国の規制に対応した販売、現場の声のフィードバックなど、日頃のご尽力に心より感謝申し上げます。今後も日本のメーカーとしての責任を持ち、精度・品質を追求し続けながら製品づくりを進めていきます。50年の歩みを未来につなぎ『命を守る器械』として、次の世代にも確かな価値を届けていく所存です」とコメントしている。