技術・製品

操作性と安全性、処理能力向上【サクラ精機】

高圧蒸気滅菌装置「MISORA」発売

サクラ高圧蒸気滅菌装置「MISORA」

サクラ精機(社長=東竜一郎氏、東京都中央区)は、高圧蒸気滅菌装置VSシリーズの新型モデルとして、操作性と安全性、処理能力を高めたサクラ高圧蒸気滅菌装置「MISORA」を発売した。

MISORAは128項目におよぶリスクマネジメント評価を実施し、該当する13の品質・安全規格に適合している。これにより、高品質で安全な医療機器を安定的に提供するため、すべての製品や製造過程を厳しくチェックし、品質を確保する。

装置の稼働状況を遠くからでも直感的に把握できるよう、稼働状態に応じて色が変化する「サクラマーク」付きインフォメーションランプを新たに搭載した。ピンク・緑・青・赤色で稼働状況を一目で確認でき、操作性と認知性の大幅な向上に貢献する。

二次元コード付きカートを用いた「カート搬入出検出装置」がオプション機能として搭載可能。滅菌装置内の二次元コード付きカートが、滅菌工程を通過したか否かを検知してランプで表示する。これにより、医療現場での滅菌物の払い出し作業を的確にサポートし、ヒューマンエラーの防止にも寄与する。

また「棚可変式フロアカート」がオプションとしてラインナップに追加され、被滅菌物のサイズや量に合わせて棚板の高さを調整することが可能となる。被滅菌物の乾燥効率や処理能力の最適化にも貢献する。

そのほか、従来機に搭載している独自の滅菌技術を継承しつつ、新たに環境負荷の軽減を目指した乾燥方式「ハイパードライデザイン」や、軽量化と耐久性を両立したチャンバ設計「LTコンセプト」を採用した。

これ以外のオプションとしては、作業効率向上に寄与する「CART―D」や「E―Loading」などの機能を用意し、ネットワーク接続による運転管理やトレーサビリティシステムとの連携もできる。

近年、医療事故や院内感染につながるリスクが指摘されるヒューマンエラーの防止や安全性へのニーズが高まっている。また、高齢化の進展により、再生処理が必要な医療器材が増加し、滅菌処理の質と量の両立が求められている。こうした課題を背景に、サクラ精機は安全性と処理能力を向上させた高圧蒸気滅菌装置を開発した。