非弁膜症性心房細動による脳卒中リスク低減【アボットメディカル】

「Amulet 左心耳閉鎖システム」発売
アボットメディカルジャパン(社長=千田真弓氏、東京都港区)は、非弁膜症性心房細動による脳卒中のリスクを低減する左心耳閉鎖術のデバイス「Amulet左心耳閉鎖システム」を発売した。
非弁膜症性心房細動は脳卒中を引き起こす重大な危険因子で、心房細動の患者はOAC(抗凝固薬)の服用などにより脳卒中を予防することが重要となっている。
左心耳閉鎖術は非弁膜症性心房細動による血栓が形成される左心耳(左心房にある袋状の構造物)を閉鎖することで、脳卒中のリスクを低減する。左心耳閉鎖術は1回の手術で脳卒中のリスクを低減し、OACを中止できる可能性があり、開心術や薬物療法などの代替療法を求める患者に新たな選択肢を提供する。
発売した同デバイスは、独自の2層構造で様々な形状・サイズの左心耳に対応する。従来のデバイス技術では閉鎖が困難であった左心耳に対しても閉鎖術を行うことがきる可能性がある。また、左心耳の入口部を密閉することで術後のリークを防ぎ、高い閉鎖性を実現する。
同デバイスはニチノールワイヤーを編んで作られている。ニチノールは形状記憶の特性を持つ金属で、デリバリー時にカテーテル内に収納されているデバイスが留置時には元の記憶された形状に戻る。デバイスの形状は左心耳の開口部を閉鎖するように設計されている。サイズラインナップは幅広く、そのランディングゾーン(留置領域)は11~31㍉㍍をカバーする。
海外臨床試験で左心耳閉鎖率を調査した結果、術後45日時点で98.9%、術後12か月時点で99.4%と高い閉鎖率を示している。また、術後3年時のOAC中止率も96.2%と有意に高い傾向を示している。