滅菌工程の適格性を短時間で評価【サクラ精機】
ステリス社製3商品を同時発売
サクラ精機(社長=東竜一郎氏、東京都中央区)は、わずか20分間で高圧蒸気滅菌装置の運転結果を評価できる米ステリス社製バイオロジカルインジケーター「Celerity20STEAM・バイオロジカルインジケーター/インキュベーター」と、より精度の高い滅菌モニタリングを可能とする「Celerity20STEAM・プロセスチャレンジデバイス」(PCD)を発売した。
バイオロジカルインジケーター(BI)は「当該滅菌工程の微生物殺滅効果を直接的に検証できる唯一のインジケーターで、無菌性を保証する手段である」とされている。BIは特定の滅菌法に対して強い抵抗性をもつ指標菌の芽胞を使用して作られており、一定時間培養した後、その菌の生育状況で滅菌工程の適格性を判定する。
同社の従来品BIは判定結果が判るまで24時間を要したが、今回発売したBIと専用インキュベーターは、指標菌の生存率を培養液中に存在する蛍光発生基質の酵素分解による蛍光シグナルの検出により判定しており、わずか20分という判定時間の短縮を実現した。これにより、滅菌判定の待ち時間も大幅に短縮され、医療現場における医療器材再生処理の運用効率化に貢献する。
また、発売するBIは培地アンプルにガラスを使用していないため、クラッシュの際のバイアルの損傷によるガラスの飛散の危険性がない。さらに、BIのキャップに培養液が封入してあり、キャップを捻るだけでバイアル内にある指標菌と培養液が混ざる。
PCDにはBIと化学的インジケーターの2種類が内包されており、意図的に滅菌抵抗性を高める用途の商品。このPCDを用いてモニタリングするとBI単独の場合よりも精度の高い滅菌工程の適格性が検証できる。
米規格AAMIの規定したタオルパック原法と同等の抵抗性を有するとともに、コンパクト設計である同商品は、タオルパック作成の手間やスペースの削減、作業時間の短縮にも貢献する。
『医療現場における滅菌保証のガイドライン』(日本医療機器学会)では「BIを毎日使用する。好ましくは毎回使用し、BIの判定結果を確認してから既滅菌物の払い出しをおこなう」ことを推奨している。発売した商品は短時間で判定結果を得られるため、ガイドラインに則ったモニタリングが容易となる。