大動脈治療の国内製品ラインアップ強化【テルモ】
「ソラフレックスハイブリッド」上市
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、胸部大動脈治療で使用するフローズンエレファントトランク「Thoraflex Hybrid(ソラフレックスハイブリッド)」を日本で販売開始した。今回の上市により、大動脈治療の国内製品ラインアップを強化し、より幅広い症例にソリューションを提供していく。
ソラフレックスハイブリッドは弓部大動脈と下行大動脈の広範囲にできてしまった瘤や解離などを治療する医療機器で、人工血管とステントグラフトを組み合わせたハイブリッド型の製品。2つの機能を一体化させることで、より低侵襲に治療することができ、手術時間の短縮や術後の早期回復が期待できる。
人工血管部分はテルモが長年、販売してきたポリエステル製の人工血管を採用。ステントグラフト部分は独立したニッケルチタン合金製のリングを織布に縫い付けることで、大動脈の走行に柔軟に追従するよう設計されている。
ソラフレックスハイブリッドは、2012に欧州のCEマーク、22年に米国食品医薬品局(FDA)承認を取得し、世界初の4分枝付きフローズンエレファントトランクとして、世界50か国に累計1万3,000本の販売実績がある。
大動脈は身体で最も太い血管で、心臓からさまざまな臓器へ血液を供給している。血管壁の一部が膨らみコブ状の瘤になってしまう大動脈瘤や、血管壁に亀裂ができてしまう大動脈解離は命に関わる疾患で、治療方法としては、病変部分を外科的に人工血管に置き換える手術や、カテーテルを用いて血管内からステントグラフトを挿入する手術が行われている。