日本初のリードレス「ペースメーカー」発売ー日本メドトロニック
カプセル型の「ペースメーカー」
日本メドトロニック(社長=トニー・セメド氏、東京都港区)は日本初のリードレスペースメーカー「マイクラ経カテーテルペーシングシステム」(マイクラTPS)の販売を開始した。
マイクラTPSは本体とリードが一体化されたカプセル型のペースメーカーで、小さなフックで心壁に取り付け、先端の電極を通じて電気刺激を送り、ペーシングを行う。
従来のペースメーカーは外科手術で皮下ポケットを設けて装置を植え込み、静脈を通して、リードを心臓内に留置する必要があった。が、マイクラTPSは植え込まないので、皮下ポケットもリードも不要なため、それらに関連する合併症のおそれがない。
また、外科手術による胸部の傷もなく、外からは装置のふくらみもないので、患者の外観上で判別はできず、装置を意識することなく生活できる。
さらに、電池の予測寿命は約12・5年で、追加留置の際は電池が消耗した一方の製品を電源オフにすることで、電気的にデバイス同士が互いに干渉することなく、追加デバイスの留置ができる。
マイクラTPSの国際共同治験メンバーである杏林大学医学部付属病院循環器内科の副島京子教授は「ペースメーカーはリードがなく、直接心臓内に植え込む新しいタイプの開発が切望されていた。従来品と同様の機能で小型軽量化された本製品は、国際共同治験により安全性と有効性が確認できた。皮下ポケットやリードによる生活制限がないことは患者に安心感をあたえ、生活の質の向上に寄与することが期待できる」と述べている。