テルモ、埋込型「薬剤注入システム」上市
耐折れ曲がり性が向上
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、埋め込み型薬剤注入システム「デュークス・エテルナ」を発売した。
デュークス・エテルナは抗がん剤の持続的投与や中心静脈栄養に使用される中心静脈ポート(CVポート)。2013年に発売した従来品の耐キンク性(耐折れ曲がり性)を向上させるため、新たに樹脂の編み込みをカテーテルに施している。
また、前胸部に留置するタイプに加え、上腕・前腕部に留置しても目立たないようにポートを小型化したタイプも品ぞろえした。誤穿刺のリスク低減に向けては、超音波ガイド下でも針先が見やすい超音波対応穿刺針を採用した。
さらに、カテーテル挿入時の血液漏れや、逆流防止のため、防止弁付きシースを取り入れたほか、血球・血漿タンパクの吸着を抑制し、血液の異物接触反応の軽減を目的とした非生物由来のポリマーコーティングをポート内面とカテーテル内外面に用いている。
近年、がん治療では外来化学療法や在宅での中心静脈栄養が普及している。CVポートは皮下に埋め込むことにより、毎回、血管に直接針を刺さずに薬液投与が可能で、痛みや血管損傷の軽減が期待できるため、CVポートの使用機会は増加している。
その一方で、埋め込み時の誤穿刺やカテーテルの閉塞、感染などのリスクもあるため、より安全なシステムへのニーズも高まっている。
デュークス・エテルナの希望小売価格は7万3000円(税別)。