技術・製品

麻酔モニタを利用して人工心肺中の炭酸ガスをモニタリング【北浜製作所】

「三方活栓自動切替え装置」新発売

三方活栓自動切替え装置
「EVARECTA」

計測・制御機器や分析機器などの理化学機器を販売する北浜製作所(大阪市中央区)は、三菱京都病院の篠原智誉・臨床工学科長と医工連携で共同開発した人工心肺中の炭酸ガスをモニタリングする三方活栓自動切替え装置「EVARECTA(エバレクタ)」を発売した。

人工心肺装置は血液を体外に取り出して酸素と二酸化炭素の交換を行い、体内に戻す体外循環操作を行うが、その際に術後の腎障害をはじめとする合併症の予防のため、回路より採取した血液を血液ガス分析装置で測定し、血中の酸素や二酸化炭素を適正な値になるように調整している。

これまでも血中のガス濃度を連続的にモニタリングする専用機器はあったが、高価で中小の医療機関では直ちに導入しづらいのが現状だった。

そこでより安価で、簡易に既存の麻酔モニタを利用して炭酸ガスをモニタリングすることができる製品として開発されたのが同製品。

EVARECTAは人工肺と各施設にある麻酔ガスモニタのサンプリングポートとの間に接続し、三方活栓を切り替えることで一定期間、人工肺の呼吸に合わせ、排気ガスと大気からのガスを交互に麻酔ガスモニタの吸引ポンプで吸収し、炭酸ガスをモニタリングすることができる。

北浜製作所では「EVARECTAをより多くの医療機関で使用いただき、人工心肺の適正な代謝量の評価による体外循環管理と安全性の強化、治療の質の向上に寄与していきたい」としている。

EVARECTAの価格は9万8000円。製品についての問い合わせは北浜製作所・技術部(ヘルスケア医療機器事業部=☎06―6491―8290)へ。販売についての問い合わせは北浜製作所(☎06―6942―2371㈹)へ。