患者のベッド脇でX線撮影【島津製作所】
「回診用X線撮影装置」上市
島津製作所(社長=上田輝久氏、京都市中京区)は、回診用X線撮影装置「モバイルアート・エボリューション・MX8バージョン」を、米国と中国を除いた国内外の地域で販売を開始した。同装置は新型コロナウイルス感染症の病床など、X線検査室に移動できない患者のベッド脇に装置を運び入れ、その場でX線撮影ができる。
MX8バージョンには同社独自技術の搭載により、滑らかな走行と、X線管を支える支柱のスムーズな伸縮を可能にした。走行時は支柱を収納し高さを1270㍉㍍に抑えることで、前方の視界を妨げず、より安全に移動できる。
本体の幅は560㍉㍍にスリム化したため、集中治療室(ICU)や手術室など機器類が多い狭い場所でもセッティングしやすく、感染症や災害などの医療現場でもストレスなく使用できる。
X線照射野サイズの調製つまみと、オールフリースイッチ(支柱回転、アーム伸縮、X線管の上下動を一度に可能)を装置前方面だけでなく、後方にも追加で設置。X線管に対してどの位置からでもポジショニングがしやくすなり、より効率的にX線撮影ができる。
多種多様なフラットパネルディテクタ(FPD:デジタル平面検出器)に対応し、医療施設で使っているFPDと組み合わせることで導入費用を抑えながらデジタルX線撮影を可能にした。
FPD撮影時に必要なノートパソコンの設置スペースを新たに設置。FPD用収納部はコンパクトでありながら十分な収納スペースを確保し、盗難防止用のロック機構も設けた。従来から使われているCRカセッテ用の収納部を選択することもできる。
MX8バージョンの価格は1690万円(税抜)。