低温・低熱で術中の深部を明るく照らす【日東精工】
医療用照明器「フリーレッド」
極小ネジや精密ネジをはじめ、ネジ締めロボットなどの産業機器のパイオニア企業である日東精工(本社=京都府綾部市、☎0773―45―3880)は、開発・販売している医療用照明器「フリーレッド」の、さらなる拡販に向け、販売代理店となる医療機器販売業者を募集している。
販売代理店を募集中
同社は2019年10月にメディカル新規事業部を立ち上げ、20年1月に医療機器製造業登録と第2種医療機器製造販売業許可を取得し、医療器開発をスタートさせた。その第1弾製品として、20年7月に医療用照明器「フリーレッド」を開発し、発売した。
「フリーレッド」の開発にあたっては、小児外科医から、骨盤などの骨切り術で深い術部を明るく照らす照明器具の相談を受けたことから始まった。
医師からの要望としては、無影灯のような遠くの灯ではなく、術部の近くまで持っていける照明で『熱をもたない照明』、『自由に曲がる照明』、『滅菌されている照明』などの条件があったが、これらの条件をクリアして「フリーレッド」を開発した。
電源ボックスを介して単回使用(ディスポーザブル)の滅菌されたライトユニットに、電源を供給することでライトユニットが自然光に近い光色で、かつ高輝度の光を発する。ライトはLEDで、発熱は42度C未満と抑えられ、術部には50㍉㍍程度まで接近できる(ただし、低温火傷には注意が必要)。明るさは1万ルクスある。
電源ボックスには、ライトユニットが最大3本接続可能。手術時の補助照明装置として使用する場合には、簡単に術野を自然光に近い光色で照らすことができる。
さらに、ライトユニットの導線は簡単に曲げることができ、術者の意のままに導くことができ、導線を固定できる補助器具も術用に合わせて制作可能という。
価格はライトユニット「LDS001」1本が1万2000円(税別)、電源ボックス「LDS701」1台が電源プラグ含み5万2000円(税別)。
今後、同社では生体用材料など新たな製品を開発し、新事業領域での価値ある製品開発を進めていく考えだ。