袋状の塞栓デバイス発売【テルモ】
日本初の治療法の普及へ
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テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、脳動脈瘤治療に用いる袋状の塞栓デバイス「Woven EndoBridgeデバイス」の国内販売を開始した。
脳動脈瘤を治療する製品で袋状の医療機器は日本にはなく、同デバイスは従来の開頭手術では治療が難しく、かつ、瘤が分岐部にあり、入り口が広いワイドネック型の症例に主に使われる。
脳動脈瘤治療は大きく分けて、開頭クリッピング手術と血管内治療の2種類があり、開頭手術では瘤の入り口部分を外側からクリップで挟み血流を遮断する。
血管内治療では、X線透視下で脚の付け根などの血管からカテーテルを挿入し、塞栓コイルや血流改変ステントを患部に留置することで血液の流入を抑える。
これまで血管内治療では、塞栓コイルを瘤内に留めるため複数の製品を併用しなければならなかったが、同デバイスは形状記憶合金が細かい網目の袋状になっていて、瘤から抜けづらく、単体での治療が可能となる。
また、カテーテルを挿入してから抜去するまでの手技時間平均は20.9分なので、従来よりも簡便かつ短時間の治療が可能になる。
同デバイスは欧州で2010年、米国で19年に発売され、現在、世界で延べ1万例以上の使用実績がある。