技術・製品

PCR検査装置市場に参入【島津製作所】

クリニック向けに全自動で低価格

遺伝子解析装置
「AutoAmp」

島津製作所(社長=上田輝久氏、京都市中京区)は、新型コロナウイルス感染症のPCR検査装置市場に参入する。クリニック向けにPCR検査を全自動で行う「遺伝子解析装置AutoAmp」を発売した。

同装置はリアルタイムPCR装置としては低価格で、これまで新型コロナウイルス検査の主体となってきた発熱外来の指定病院や地方衛生研究所、検査会社だけでなく、中規模病院やクリニック、検疫所などでも導入しやすくした。生体試料の入った検体容器、分注チップ、試薬容器、反応容器をセットするだけでPCR検査が行える一般医療機器(クラスⅠ)に該当する。

測定に必要な前処理工程からPCRと蛍光測定までを全自動化することで、人為的作業ミスを防止し、安定したデータの取得を実現する。

AutoAmpは1台で4検体の同時測定が可能で、パソコン1台でAutoAmpを最大4台まで制御できる。現場の検体需要に応じて、検体体制を柔軟に拡充することが可能となる。

小型サイズ(幅30㌢㍍×奥行き65㌢㍍×高さ66㌢㍍)なので、クリニックなどの小規模施設の限られたスペースにも設置できる。

検体容器や廃棄済み分注チップの周囲の空気を装置内部へ吸引し、特殊フィルターを通過させてから装置外に排気する。

AutoAmpの価格は190万円(PC別、税別)。同社では今後1年間で国内3000台の販売をめざす。