患者自身の血液で細胞治療に寄与【テルモ】
「自家細胞分離・調製システム」発売
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)は、細胞治療に用いる自家細胞分離・調製システム「スマートプレップ」を発売した。2021年度に1000キットの販売をめざす。
スマートプレップは遠心分離機と単回使用の回路キットで構成され、患者から採取した血液成分などを分離・濃縮するシステム。
多血小板血漿用(PRP)と濃縮骨髄液用(BMAC)の2種類のキットを使い分けることで、1台の遠心分離機で治療目的に基づき血液成分の分離や骨髄液の濃縮を行うことができる。
感染リスクに配慮した閉鎖系システムになっていて、一連の操作は全自動となり14分で完了する。
血液には身体の組織修復や治癒に関連する成分が含まれおり、近年、患者自身の血液(自家細胞)を用いて、治療に生かす医療技術が裾野を広げている。対象分野は整形外科治療や不妊治療、術後の感染予防――など多岐にわたる。
例えば、変形性膝関節症ではPRPを膝関節内に注射する治療が行われており、スマートプレップはPRPの調製に用いられる。