サージカルスモークを除去【日本ストライカー】
手術室排煙装置「セーフエア」発売
日本ストライカー(社長=佐伯広幸氏、東京都文京区)は、電気メスなどで生体組織を焼灼または切開した際に発生する煙(サージカルスモーク)を吸引・除去する手術室排煙装置「SafeAir Compact Smoke Evacuator」(SafeAir=セーフエア)を発売した。
サージカルスモークには有害な化学物質とともに細菌やウイルスが含まれているといわれており、セーフエアを使用することで、執刀医だけでなく、看護師や麻酔科医への健康被害のリスクを低減する。
セーフエアは同社の排煙機能付き電気メスペンシル「ネプチューン・イーセップ」と互換性を持ち、電気ケーブルと吸引チューブを接続して使用する排煙装置。電気メスの作動とタイムリーに連動する自動吸引機能を有している。
また、サージカルスモークの発生状況に応じて吸引力を10段階に調整できるなど、効率的にサージカルスモークを除去する。
さらに、本体内部のULPAフィルタが0・1㍃㍉㍍以下の微細ウイルスも捕捉することで、有害物質やウイルスの再拡散を防止する。
手術室で電気メスを1日使用した場合、サージカルスモークによる執刀医への健康リスクは27~30本の喫煙に相当するといわれている。サージカルスモークに含まれる有害物質は微小なため、一般的なサージカルマスクでは十分に防ぐことができず、医療従事者が肺炎などに罹患する健康被害が報告されている。
米国では2020年度中に12の州で手術室への排煙装置の設置が義務付けられ、21年度には9の州で義務化される予定だ。日本では今年4月に日本医学会連合と日本外科学会を含む12学会が提言として「電気メスを使用する際は排煙装置を用いる」との指針を発表している。