短時間で高精細画像を提供【キヤノンメディカルシステムズ】
「AiCE」搭載1.5テスラMRI投入
キヤノンメディカルシステムズ(社長=瀧口登志夫氏、栃木県大田原市)は、AI技術で設計したSNR(信号雑音比)向上技術「AiCE」を搭載した1.5テスラMRI「Vantage Gracian(ヴァンテージ・グレイシアン)」の国内販売を開始した。
AiCEはディープラーニング技術を用いて設計したノイズ除去再構成技術で、画像内のノイズのみを選択的に除去し高SNR画像を再構成する。
AiCEにより、高画質と撮像時間短縮の両立に必要なSNRを最大3.2倍に引き上げることが可能。1.5テスラMRIと比較した3テスラMRIのSNRが理論上2倍であるため、ヴァンテージ・グレイシアンは3テスラMRIに匹敵する高いSNRを得ることができる。
これにより、日常検査で従来の3テスラMRIのような高分解能の画像診断が可能となり、より確実な診断を支援する。
また、圧縮センシング技術や高速撮像技術との併用も可能。AiCEのSNR向上効果により、画質を維持しながら、従来よりもさらに短時間での撮像ができ、従来、撮像に3分程度の時間をかけていたルーチン画像が40秒以下の短時間での撮像を可能にした。
さらに、頭部や脊椎、心臓、膝関節などの形状を自動的に検出して位置決めを支援するプランアシスト機能により、設定が煩雑な心臓検査では検査に占める断面設定の操作時間を43%から9%と大幅に減少させる。
それによって、操作者の負担を大幅に軽減し、検査体制を見直すことができるため、院内の働き方改革の推進につながる。
そのほか、同社独自の静音化技術に静音シーケンスを組み合わせることで、検査時の騒音を最大99%低減する。クラス最小のコンパクト設計(最小設置面積16平方㍍)により、低磁場MRIが設置されている比較的狭い撮像室にも設置できる。