遠隔聴診システム事業に参入【シェアメディカル】
遠隔地からの聴診をハイレゾ音源で伝送
シェアメディカル(社長=峯啓真氏、東京都千代田区)は、デジタル聴診器デバイス「ネクステート」を活用し遠隔診療システムに参入する。従来の遠隔診療では行えなかった遠隔地からの聴診を、ハイレゾ音源相当で伝送する。
同社が取り組む遠隔診療システムは呼吸器や循環器、消化器など映像だけでは診断が難しい診療科において、対面診療に近い情報量を遠隔地の医師に届け、適切な診断のもと看護師に指示を出したり、専門医から、かかりつけ医に所見を返すことを実現する。
遠隔診療システムの開発はインターネット動画配信プラットフォームサービス企業のNTTスマートコネクト(社長=白波瀬章氏、大阪市北区)と共同で実施した。
第一弾として、愛知県豊田市で実施しているオンライン診療の実証実験に参画する。いしぐろ在宅診療所の協力を得て、遠隔聴診の実証実験を行う。訪問、在宅診療での有効的な活用法や、高齢者の罹患が多い呼吸器疾患の早期発見をめざす。
遠隔聴診の実証実験に協力するいしぐろ在宅診療所の石黒剛医師は「現在のオンライン診療はただのテレビ電話なので普及しない。そこに遠隔聴診を加えると患者と医師は互いに有機的なつながりを感じることができる。これからはデジタルとアナログがうまく混じりあい、医療が効率よく生活に届けられる時代がやってくる。遠隔聴診がその幕開けになることに期待したい」とコメントしている。