「迅速診断キット」の開発開始【キヤノンメディカル】
迅速な新型コロナウイルス検査へ
キヤノンメディカルシステムズ(社長=瀧口登志夫氏、栃木県大田原市)は、日本医療研究開発機構(AMED)の「新型コロナウイルス感染症(COVID―19)の診断法開発に資する研究」(研究開発代表者=鈴木忠樹国立感染症研究所感染病理部部長)における「迅速診断キットの基盤的研究開発」に参画し、迅速な新型コロナウイルス遺伝子検査システムの開発を開始した。
開発する新型コロナウイルスRNA検出試薬は、栄研化学が開発したLAMP法を原理に、キヤノンが提供する小型等温増幅蛍光検出装置で検出するもの。従来法(リアルタイムPCR法)に比べ、簡便に短時間での検出が可能で、現場近くでの検査により適している。
キヤノンは2015年にエボラ出血熱迅速検査キットをギニア共和国へ緊急支援、19年にコンゴ民主共和国への供与、18年にジカウイルスRNA検出試薬「Genelyzer KIT」の製造販売承認取得--などの実績が評価され、長崎大学の協力を得て今回の研究事業に参画することになった。
現在、国を挙げての新型コロナウイルス感染症対策が進められる中、キヤノンは迅速な遺伝子検査システム研究成果の速やかな実用化により、社会の安心・安全に貢献することをめざす。