「冬季うつ」に模擬太陽光【電制】
顔装着型「高照度光照射装置」を開発
電制(社長=田上寛氏、北海道江別市)は、冬季うつや睡眠障害の患者向けに顔装着型の高照度光照射装置「ルーチェグラス」を開発し、医療機関向けに販売している。
冬季うつは秋から冬にかけて症状が現れる季節性の感情障害。気分が落ち込んだり、無気力になるほか、何時間寝ても眠気が取れない、食欲が収まらないなどの冬季うつ特有の症状がみられる。冬季うつは日本で聞き馴染みのない病気だが、ヨーロッパでは一般的な病気として知られている。
冬季うつの主な原因は冬になり日照時間が減少することで発症するといわれている。日照不足を補うには高照度光照射装置を用いて、太陽光と同じくらいの強い光を浴びる高照度光療法が有効となる。
しかし、従来は光源を埋め込むタイプか、据え置きタイプの高照度光照射装置を用いていたので、長時間にわたり装置の前から動けないことが課題になっていた。
開発したルーチェグラスは顔装着型なので、どこでも使用でき、装着しながら日常生活を送ることも可能。照度は1万ルクス(曇りの日の外程度の明るさ)で、照射時間は30分。目への安全性を考慮した模擬自然光となる。
使用方法は眼鏡のように装着し、ケーブルのUSBコネクタを、モバイルバッテリーやパソコンなどに接続して、スタートスイッチを押すと30分間、光を浴びることができる。30分経過すると光は自動で消灯する。
使用対象者は冬季うつ症状がみられる人、睡眠に悩みを抱えている人、日中すっきりしたい人、勉強や夜勤などで眠気をとりたい人、集中力を高めたい人--など。
電制では医療機関を対象にデモ機の貸し出しも行っている。詳細は同社(☎011―380―2102、メール:info@dencom.co.jp、担当=保木本千晶さん)まで連絡のこと。