医工連携

医工連携で「持針器」開発【河野製作所】

世界最小の縫合針をつかめる専用機器

髪の毛より細い世界最小の手術用縫合針を
つかめる「Neo持針器」

河野製作所(社長=河野淳一氏、千葉県市川市)は、顕微鏡をのぞきながら直径0.5㍉㍍前後の血管やリンパ管などを縫合する手術で使用される微細な縫合針をつかむための医療機器「Neo持針器」を開発した。髪の毛より細い世界最小の手術用縫合針をつかめる専用の持針器で、医師と同社との医工連携で開発され、使いやすさを徹底的に追求した。

Neo持針器は、世界最小の縫合針が長さ0.8㍉㍍/直径0.03㍉㍍に対し、Neo持針器の縫合針をつかむ部分は幅0.2㍉㍍と細く設計されているため、微細な針をしっかり把持して組織を縫合できる。

高倍率の顕微鏡を用いる手術では、少しの動作でも顕微鏡の視野外に持針器の先が飛び出てしまい、再度視野に戻す必要があったが、Neo持針器は中心軸上に先端があり、持針器を回転させても先端で把持した針が中心から大きく動かない設計になっており、持針器の先が顕微鏡の視野から飛び出ないので手術のストレスを軽減する。

Neo持針器はピンセット形状を採用しているため、指先の力が持針器の先端に直接つたわりやすく、医師の繊細な力加減を反映できる。また、円柱状の滑り止め付きグリップは、持針器を任意の方向にわずかに回転させる繊細な動きを可能にしている。