医工連携

日立と共同研究で提携【東北大学】

がんや難病の個別化医療の実用化へ

東北大学(総長=里見進氏)と日立製作所(社長=東原敏昭氏)は、がんや難病の患者1人ひとりに最適な医療を提供する個別化医療に関する共同研究・実用化に向けた包括提携を締結した。

東北大学病院が個別化医療推進プロジェクトで収集する遺伝子情報や検診・診療情報を、日立の遺伝子情報解析技術、解析プラットフォームやAI(人工知能)を連携させ解析し、個々の患者に最適な治療法を提案する個別化医療のプラットフォームの整備をめざす。

また、疾患バイオバンクに蓄積するデータ活用のノウハウを生かし、製薬企業などに、がんやがん以外の難病の革新的治療薬や発症予防法の開発をサポートしていく。

東北大学は個別化医療の実現を柱の1つに掲げ、「未来型医療」で世界トップレベルの研究機関をめざしている。2012年には東北メディカル・メガバンク機構(ToMMo)を設立し、約15万人におよぶ世界有数規模のバイオバンクや、遺伝子情報から各種診療情報までを統合したデータベースの構築を進めるとともに、遺伝子研究の人材育成も行っている。

日立製作所は1993年から遺伝子情報関連の事業に取り組んでおり、ToMMoにおいてもスーパーコンピュータシステム「大規模ゲノムコホート解析システム」の構築を受託。14年7月から本格的な運用を開始し、現在も運用を支援している。AI分野では日立の持つ人工知能技術をビジネスに活かし、幅広い分野で実績をあげている。