認知症など神経変性疾患を血液診断へ【アボットジャパン】
QSTと共同研究開発の加速で合意
アボットジャパン(社長=武知秀幸氏、東京都港区)と量子科学技術研究開発機構(理事長=小安重夫氏、千葉県千葉市、QST)は、アボットの総合研究所(千葉県松戸市)内に新設された神経疾患バイオマーカー開発拠点「Neurology・Hub」を活用して、認知症などの神経変性疾患を計測することができる血液診断バイオマーカーの共同研究開発を加速することで合意した。
アボットとQSTは3年前から血液診断用バイオマーカーと測定技術の研究開発に共同で取り組んできた。今後はアボットのNeurology・Hubで現在利用可能なリソースを使用して、認知症などの神経変性疾患を検出するための血液ベースの診断テストの迅速な導入を目指す。
同Hubは、総合研究所における血液バイオマーカー研究分野での注目すべき成果に基づいて開設したもので、神経疾患に関連するバイオマーカー開発のために同社が米国外およびアジア太平洋地域において開設した初の研究ハブとなる。
今回の共同研究を加速させることにについて、QST脳機能イメージング研究部の樋口真人部長は「QSTはこれまでに脳疾患の画像診断技術開発に関する豊富な実績とノウハウがあり、画像を手本に血液診断バイオマーカーも開発できることを強みとしてきた。アボットとの連携では、この強みを活かすと同時に、同社の世界中の検査室ネットワークとつながるハブ機能を最大限活用しながら、血液診断バイオマーカーの実用化に向けた共同研究を加速させる」とコメントしている。
また、アボット総合研究所の吉村徹所長は「今後もQSTと密接に協力しながら、アボットのグローバルネットワークもフル活用し、血液診断バイオマーカーの実用化に邁進する」と述べている。