「軟質実物大3D心臓モデル」開発【クロスメディカル】
国循と共同開発、医療機器承認を取得
クロスメディカル(社長=竹田正俊氏、京都市伏見区)は、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市、国循)と、関係会社のクロスエフェクトとの共同開発のもと医工連携で開発を進めてきた「軟質実物大3D心臓モデル」が、厚生労働省から医療機器承認を取得した。
同3D心臓モデルは既存の画像診断では診断や術式決定が困難な複雑先天性心疾患患者の心臓構造を診断するために提供され、手術計画の立案の支援を目的とした日本初のクラスⅡ医療機器(管理医療機器)となる。なお、現在は保険償還を目指した最終準備を進めている。
同3D心臓モデルを用いることで、先天性心疾患患者の複雑な心臓の立体構造を事前に正確に把握できるとともに、実際の手術前に外科医がメスやハサミ、糸を使って手術のリハーサルを行うことが可能となり、より安全で正確な心臓外科手術を迅速に行えることが期待されている。
同社はこれまで国循のオープンイノベーション・ラボに入居し、白石公医師(小児循環器内科)と黒嵜健一医師(小児循環器内科部長)との医工連携により、精密3Dプリンタ技術の光造形法と、新しい鋳型技術の真空注型法を応用して、立体構造が複雑な小児の心臓形状を内腔までリアルに再現したテイラーメイドの同3D心臓モデルを開発した。
今回の医工連携は、日本医療研究開発機構(AMED)の「立体構造が極めて複雑な先天性心疾患患者への3Dモデル診断による術時間削減を実現するオーダーメイド型超軟質3D精密心臓モデルの開発・事業化」の支援により実現した。