米グーグルと共同研究【がん研有明病院】
AIを活用した乳がん検診で
がん研究会有明病院と米GoogleはAI(機械学習モデ)を活用した乳がん検診の研究に向けて共同研究契約を締結した。Googleが米国と英国の専門家と共同開発した検診用マンモグラフィから乳がんを特定するための機械学習モデルについて、両者はその有効性を日本人で検証する。
共同研究では2007年から20年までの間に、がん研有明病院乳腺センターと健診センターで撮影され、適切な匿名化を施し個人が特定不可能な約2万人の女性のマンモグラフィ画像を使用し、AI(機械学習モデル)のパフォーマンス分析を行う。
これらのマンモグラフィ画像は同研究での利用を目的として、高水準のセキュリティを有するGoogle Cloudに暗号化した上で保管される。
共同研究に関して、がん研究会がんプレシジョン医療研究センターの中村祐輔所長は「新型コロナウイルス感染症の影響で、がん検診率が低下してきています。乳がんは早期に見つかれば治癒する確率が非常に高いがんです。がん検診にAI技術を利用することは多くの方が検診を受けても、診断の精度を保ちつつ、放射線科診断医の負担を軽減することにもつながります。Googleと協力して、この取り組みを円滑に進め、全国どこにいても乳がんで命を落とさない未来を創造できればと考えています」と述べている。