神戸アイセンター病院と包括連携【シスメックス】
眼科領域ゲノム医療の実現へ
シスメックス(会長兼社長=家次恒氏、兵庫県神戸市)と神戸市立神戸アイセンター病院(院長=栗本康夫氏、兵庫県神戸市)は、遺伝性網膜変性疾患におけるゲノム医療の臨床実装の実現に向けた連携を目的に包括連携契約を締結した。
今回の包括連携により、神戸アイセンター病院が保有する遺伝子診断から治療に関する知見と、シスメックスと子会社の理研ジェネシス(社長=近藤直人氏、東京都品川区)およびOxford Gene Technology社(CEO=John Anson氏、英国オックスフォードシャー州)が保有する体外診断用医薬品、解析プログラムの開発ノウハウを活用して、遺伝性網膜変性疾患の診断や治療、遺伝カウンセリングに必要となる遺伝子検査の早期臨床実装をめざした活動を開始する。
神戸アイセンター病院は眼科中核病院および眼科研究機関として網膜変性外来の遺伝子診断研究・遺伝カウンセリングを実施しており、標準医療から遺伝子情報に基づく最先端治療、社会生活への復帰支援まで、全般的に対応できるワンストップセンターとしての役割をめざしている。
遺伝性網膜変性疾患に関しては、診断・治療に結びつく基礎から臨床研究までを従来から行っている。
一方、シスメックスは患者1人ひとりに最適な医療を提供する個別化医療や、身体的負担の少ない検査などの実現に向けた研究開発に取り組んでおり、国内初となるがんゲノムプロファイリング検査の製造販売承認取得などを通じて、がんゲノム医療の臨床実装に貢献してきた。
これまで遺伝性疾患は、医学的・科学的知見が不足していたが、次世代遺伝子配列解析装置を使った多遺伝子解析により、原因遺伝子に関する知見が蓄積されつつある。
近年、遺伝性網膜変性疾患において、原因遺伝子をターゲットにした遺伝子治療薬が欧米で承認されるなど、新たな治療への道筋が見え始めている。