AIで心臓カテーテル治療支援【テルモ】
菊名記念病院と共同研究を開始
テルモ(社長=佐藤慎次郎氏、東京都渋谷区)と菊名記念病院(院長=村田升氏、神奈川県横浜市)は、心臓カテーテル治療の質と効率を向上させる人工知能(AI)技術の開発に向けた共同研究を開始した。2023年頃の実用化をめざす。
共同研究ではAIを活用して画像情報や患者情報を分析し、治療が迅速で正確に行える技術の開発に取り組んでいく。
この技術により、従来は医師が行ってきた血管径やプラーク(コレステロールが蓄積してできた塊)断面積の計測、患部に最適なサイズのステント選択などをAIが支援する。
テルモはカテーテル治療の始まりから終わりまでの幅広い医療機器を世界中に供給しており、これら製品とAIなどのデジタル技術を融合することで、医療現場に新しい価値を提供していく。
菊名記念病院の循環器センターは、心臓カテーテル治療で専門性の高い医療を提供しており、共同研究では臨床的見地からの評価と改善提案を担当する。
心臓カテーテル治療は狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患を対象に行われる治療。医師はX線透視画像や血管内画像から最適な医療機器を選択し、最終的にステントを血管内に留置することで治療する。
しかし、さまざまな医療情報を考慮して治療戦略を立案し、各医療機器を適切に扱うには高度な技術の習熟を必要としている。