画像医療装置の長期使用が固定化【JIRA】
画像医療装置の導入状況調査で判明
日本画像医療システム工業会(会長=新延晶雄氏、JIRA)は「2018年度画像医療システム等の導入状況と安全確保状況に関する調査」の調査結果を発表した。それによると画像医療機器の平均買い替え年数の大幅な延びの固定化が顕著にみられたほか、保守管理の重要性が増す中で院内点検を含む保守点検の実施率がなかなか向上しない状況が浮き彫りになった。
調査は全国の医療施設を99床以下、100床~299床、300床~499床、500床以上の4つの病床群に分類し、その中から無作為に抽出した1000施設の放射線部門技師長宛にアンケート用紙を郵送し、有効回答数411施設(回収率44%)より得られた回答を集計・分析した。
調査結果によると、▽X線CT装置▽血管撮影用X線装置▽MRI装置▽核医学装置▽粒子線加速装置▽超音波装置▽CR画像処理装置--の代表的7機種の平均使用期間は2008年の調査以来、10回連続して使用期間が11年を超え、そして17・18年には12年を超え、長期使用が固定化され、日常の安全管理と定期的な保守管理が、より重要度を増す状況となっている。
装置の稼働年数別台数では、調査対象54機種の実際の使用期間を「1~5年」、「6~10年」、「11年以上」の3区分で調査した結果、最長の使用期間11年以上は54機種中13機種(24%)の装置が50%以上あり、17機種(31%)の装置が40%以上と、長期間にわたり使用されていることが判明した。
「メーカーとの保守契約」、「都度メーカーを呼んで点検」、「院内で保守点検」の3項目を合計した保守点検実施率の調査では、▽一般X線撮影装置▽核医学装置▽超音波装置▽CR画像処理装置--4機種は前回に比べわずかに増加したが、血管撮影用X線装置は前回調査に比べ減少した。
医療機器安全管理責任者の設置状況に関しては、全体の90%以上の施設が設置し改善がみられるものの、病床規模や設置主体で差がみられた。また、医療機器安全管理責任者の職種は、臨床工学技士が8・3ポイント増加し、43・7%になり、診療放射線技師、臨床工学技士、医師の3職種で90%を占め、その他の職種は少数にとどまった。
医療機器保守点検計画の策定状況に対する回答では「策定している」と回答した施設が91・6%で、前回調査から0・6ポイント悪化した。