「産業ビジョン2025」発表【J I R A】
画像医療システム産業の発展へ
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日本画像医療システム工業会(会長=新延晶雄氏、東京都文京区、JIRA)は2019国際医用画像総合展の開催初日、4月12日㈮に総合展会場のパシフィコ横浜内で、新延会長らが「記者会見」を開き、JIRAが策定した『JIRA画像医療システム産業ビジョン2025』の内容や、ビジョンの実現に向けた『2019年度JIRA活動基本方針』を発表した。
これまで、JIRAは2013年に20年を見据えた『JIRA画像医療システム産業ビジョン2020』を策定し、ビジョン2020を基本戦略に毎年の活動計画を推進してきた。
前回のビジョン策定から6年が経過し、社会環境や世界情勢の変化、人工知能(AI)などによる医療技術の進展状況を踏まえ、JIRAは次の目標を25年とした『JIRA画像医療システム産業ビジョン2025』を策定。ビジョン2025を基に事業活動の方向付けと活性化を図り、産業の強化、発展をめざす。
会見で新延会長はビジョン2025の目的を「画像医療システム産業の特徴を核として、医療への貢献と、産業拡大を実現させる」と説明した。
これを踏まえ、新延会長は25年に画像医療システム産業がめざす4つのビジョンとして、①社会の変化に先駆けた世界をリードする医療イノベーションを実現する②革新的なデジタル技術の活用により医療の質向上と医療機器産業拡大に貢献する③日本の優れた医療、医療システムを世界に提供し貢献する④社会・自然環境の変化に適応したシステムの提供により安全・安心で安定した医療を実現する--を列挙した。
①の『社会の変化に先駆けた世界をリードする医療イノベーションを実現する』では、社会の動向(少子高齢化、個別化医療など)に見合った高精度・高機能、低侵襲の画像診断・治療などの技術探求と創造により、▽予防・診断・治療の連携強化と、早期診断・低侵襲治療による健康寿命の延伸▽新たな医療産業分野と連動した画像医療システム産業の強化・拡大--を実現させる。
②の『革新的なデジタル技術の活用により医療の質向上と医療機器産業拡大に貢献する』では、画像医療システム産業へのAIや医療IoT、医療ビッグデータ、次世代通信技術などの活用促進により、▽臨床価値の創出と診療支援技術の拡大、診断と治療の連動、医療の効率化▽遠隔医療、地域包括連携、診療・治療情報のポータビリティの実現、予防・健康増進・介護などの関連産業創出--に貢献する。
③の『日本の優れた医療、医療システムを世界に提供し貢献する』では、画像医療システム・サービスの国際展開に必要な国際整合、地域別規制対応により、▽日本の医療システムの海外展開の加速による世界の医療への貢献▽医療機器および関連産業の輸出拡大--をめざす。
④の『社会・自然環境の変化に適応したシステムの提供により安全・安心で安定した医療を実現する』では、厳しさの増す社会・自然環境の変化に迅速、的確に適応した製品の開発促進により、▽優れた環境性能(省エネ、小型、ユーザビリティなど)を持ち、緊急時にも持続可能な医療を提供▽医療ネットワーク上の脅威に耐えうるサイバーセキュリティの確保--をめざす。
産業ビジョンの実現へ
「JIRA活動方針」打ち出す
一方、ビジョン2025の実現に向けた「2019年度JIRA活動基本方針」は、⑴画像医療システム産業への貢献⑵ICT技術を活用し医療に貢献⑶医療、医療システムの国際展開を支援⑷JIRA基盤活動の充実--の4項目で構成されている。
⑴の画像医療システム産業への貢献では、政策への提言活動を強化し、関係省庁との対話会などに参加し提言活動を行っていくほか、診療報酬制度での医療機器の適正評価の推進や、関係団体との連携強化を図っていく。
⑵のICT技術を活用し医療に貢献では、IT産業、医療系ベンチャー企業の支援として、AI分野における審査指針(厚労省)の情報共有や開発指針(経産省)の運用のほか、医療機関との情報共有として、放射線線量管理やサイバーセキュリティ対策に取り組んでいく。
⑶の医療、医療システムの国際展開を支援では、DITTA(国際画像診断治療機器業界会議)活動で規格・制度の国際調和活動や、新興国などの情報収集・発信を推進していく。
⑷のJIRA基盤活動の充実では、広報活動と調査・研究活動の強化や、展示事業の拡大、セミナーの企画、MRC認定制度の拡大などを展開していく。