恒例の「研修見学会」を開催【JMIAユースアップの会】
シャルマンの生産現場を見学
日本医療機器協会(日医機協)加盟企業の若手経営者や幹部社員で組織されるJMIAユースアップの会(代表幹事=山﨑隆次氏)は、毎年恒例の「研修見学会」を一昨年の笛吹中央病院、昨年の粕谷機工に続き、今年は9月14日㈮・15日㈯の一泊二日の日程で、福井県を訪れ、国内最大手の眼鏡フレームメーカー・シャルマンの工場を見学した。
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シャルマンは創業以来、福井県鯖江市でメガネフレームの一貫生産を行なってきたが、近年では医療機器業界に参入し、眼科、脳神経外科、心臓外科向け鋼製小物の生産を行っている。また、昨年には日本医療機器協会へ加入している。
シャルマンに到着したユースアップの会一行(会員・参与13名)は同社の堀川会長自らが出迎える歓待を受け、写真撮影の後、共に昼食をとった。昼食後は堀川会長が講演を行い、同社の変遷や事業内容、なぜメガネから医療機器へ参入したのか――などの興味深い話を聴講した。会長の講演は予定時間を大幅に超過するほどの内容で、同社の医療機器への力の入れ方が非常に大きなものであることを認識した。
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次いで、同社の岩堀専務の案内でショールームと工場を見学。ショールームには同社が生産しているメガネフレームが数多く展示され、その中には美智子皇后陛下ご愛用の特注フレームも展示されている。年間数百種類のフレームが新しく上市され、また製造終了になっていく――との説明を受けた。
医療機器も展示されており、これまで同社が生産してきた数々の鋼製小物が展示されている。ショールームの隣のミュージアムには、日本の古いセルロイドのメガネフレームなど、メガネに関する非常に貴重なものが展示されており、興味深く見学した。
引き続き、工場の見学に移動。工場はトヨタ生産方式が取り入れられており、広い工場内は整理整頓がしっかりされ、その中で数多くの工作機械が並び、同じ工程でも複数の工作機械で同時に生産されている。工場内は見学ルートが整備され、ユース一行は各工程の説明板を見ながら、メガネフレームの製造現場を見て回った。
工場見学の後は同社の研究開発への取り組みについて、技術開発課の中村、多田の両氏から話を聞く。同社が開発したメガネフレームのみならず鋼製小物にも使われている『エクセレンスチタン』と、それを接合するためのレーザー溶接技術についての解説を受けた。
質疑応答では、医療機器業者が直面している各種法規制を、同社では以前より対応しており、医療機器分野に参入してもそれらは問題なくクリアできている――との説明を受け、医療機器業界では様々な法規制に各社が必死に対応しようとしているが、メガネ業界ではそれらは以前より導入されていた仕組みであったことに、一行は感心していた。
同社の見学後は、今回の研修見学会の窓口となった同社の松宮常務を交え、福井市内の和食ダイニング「柳月亭」で日本料理を囲んで情報交換と懇親を深めた。
2日目は、ゴルフ組と観光組に分かれ行動した後、福井駅で合流し新幹線で帰路についた。