「平成30年賀詞交歓会」開催【日本医療機器工業会】
経団連会館に産官学の関係者ら参集
日本医療機器工業会(理事長=松本謙一氏、東京都文京区、日医工)は1月12日㈮午後6時から、東京・大手町の経団連会館で「平成30年新春賀詞交歓会」を開催した。医療機器産業界友好団体はじめ行政、学会、国会議員の来賓に日医工会員企業ら約200名が参加して盛大に開かれた。また、当日は賀詞交歓会に先立ち、午後4時30分からメディアアーティストの落合陽一氏による『特別講演会』(医療×テクノロジー)が行われた。
新年のあいさつに立った松本理事長は「昼間までは多少気の利いたことをお話しようかと思っていましたが、つい先ほどの特別講演を聞かれた方は同じような考え方をお持ちかと思いますが、一昨日のNHKのニュースで『現代の魔法使い落合陽一』というテーマで5分間くらいホログラム中心にお話をされ、また本日、素晴らしい話を諸々お聞きしているうちに、本当は考えていたことが消えてしまいました」と第一声。
ダブル改定は引き算も考え対応を
今年行われる診療報酬と介護報酬の改定に言及しては「今年は4月に行われる、俗にいうダブル改定など、さらに厳しいものになるのではないかと思われる。しかし、これも基本的には方向性と方法論ということを識別しないといけないと思う。ダブル改定はあったら困るというふうに思っているのは誰しも同じだと思うが、今後はバリューに対する保守というものへの費用対効果が当然とは言わないが、薬の場合で言えば当然引き算のことも考えている。医療機器もイノベーションで足し算ばかりではなく、引き算を考えなければならないのではないか、その意味でバランスを取っていく時代ではないかと思う」と語った。
ハイテク技術への対応に関しては「先ほどもAIなどについて勉強になるお話を聞きましたが、毎日のようにメディアからAI産業革命とかIoT革命などのキーワードが日々目に入ってくる。それをただ叫んでいても仕方がないので、これは企業の自助努力だと思うし、だからコストアップになったという理由もないし、これをいかに自社のプラスになるように考えることかと思う。また、方向性これは団体の責任かと思う。情報の共有化をし、それぞれの対応策を考える、ということかと思う。そういったことで今年はハイテクノロジーがさらに強まるとは思うが、企業の自己防衛のためにも自助努力をいかにするかということかと思う」と示唆した。
世界各国で高齢化対策が課題に
世界の医療事情にふれては「トランプ大統領の感情に任せたとは言いませんが、非常に強い言動が世界を騒がせている。日々の為替レートも気になるが、トランプ大統領がまた何か言ったのか言わなかったのか気になる。対キューバの事もそうで、キューバというと松本さんと言われますが、確かに過去キューバに工場をもって10年間事業を行ってきたことから、現在もパイプを持って行き来している。キューバも中国と同様に高齢化社会を迎えており、キューバで杖を作ってくれないかという話もでて、これからどの国でも高齢化現象が出てくる、という気がする。先ほどの落合先生のお話の中で、人口減少、高齢化がテクノロジーを生むという話が出ており、災い転じて福となすと言うのもこういうことかなというふうに思えば、何事もプラス思考でとらえることができる」と述べ、あいさつとした。
このあと、来賓を代表して自民党の鴨下一郎衆議院議員や上川陽子法務大臣、菅原一秀衆議院議員、行政から厚生労働省の武田俊彦医政局長、宮本真司医薬・生活衛生局長、経済産業省の江崎禎英商務・サービス政策統括調整官、業界を代表して日本医療機器産業連合会の渡部眞也会長――らが祝辞を述べた。
引き続き、医療機器センターの菊地眞理事長の『乾杯』の発声で開宴。会場では参加者らが新年の賀詞を交わしながら、情報交換と親ぼくを深め合った。ひとときの歓談のあと、日医工の増田順副理事長の『中締め』で散会となった。