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ウズベキスタンの医療需要拡大【日本ウズベキスタン・シルクロード財団ヘルスケア部会】

「第38回シルクロードビジネスセミナー」会場の様子

ヘルスケア分野動向テーマに「セミナー」

日本ウズベキスタン・シルクロード財団ヘルスケア部会(部会長=松本謙一氏)は9月24日㈭午後3時から、東京・大手町のKKRホテル東京で「2026年ウズベキスタンのヘルスケア分野の最近の動向」をテーマに、第38回シルクロード・ビジネスセミナーを開催した。セミナーでは、同国ヘルスケア領域の現状や政策の方向性について、関係行政、団体、企業の担当者らが報告した。

3つのキーワードを基に発展に協力

松本部会長

冒頭、あいさつに立った松本部会長は、今年14回の海外出張で各国の医療現場を視察したことに触れ「各国政府・行政の方々と意見交換する中で、国ごとに異なる医療事情や政策の取り組みを理解できた」と述べた。

続けて、ウズベキスタンの独立35周年記念式典に出席した際の印象を紹介し「ウズベキスタンは以前から何度も訪問しているが、近年は大きく様変わりしてきた。従来は天然資源や観光に重点を置いていたが、現在はヘルスケア分野にも力を入れ、特に医学教育や人材育成に積極的に取り組んでいる」と同国の変化を報告した。

さらに、医療機器産業の3つのキーワードである①安定供給②医療DX③国際展開に言及し「ウズベキスタンにおいてもこの3点を基軸に、われわれ医療機器業界として、産官学ともに力を合わせてウズベキスタンの発展に協力していきたい」と語った。

中央アジアと日本の潜在力を実感

塩田室長

次いで、来賓として外務省欧州局中央アジア・コーカサス室の塩田崇弘室長があいさつした。着任から1カ月と述べた塩田室長は、この間にタジキスタン、キルギス、トルクメニスタンへの出張を行い、先週にはウズベキスタンのサイードフ外相を迎えたことを紹介。「短い期間ながら、中央アジアと日本の関係には大きな潜在性があることを強く感じた」と語った。

また、日本が2004年に他国に先駆けて開始した「中央アジア+日本」対話枠組みに触れ「地域を一体として捉え、関係強化を進める視点を持って外交を展開している。中央アジア側からの日本への期待も非常に高い」と述べた。

さらに「日本への信頼や期待は政府だけでなく、日本企業や国際協力関係者が、中央アジア諸国の独立以来積み重ねてきた協力の成果だ」とし、これまでの官民の取り組みに謝意を示した。

このあと、経済産業省通商政策局ロシア・中央アジア・コーカサス室の須藤貞美室長補佐、厚生労働省医政局総務課医療国際展開推進室の新田惇一室長、国際協力機構(JICA)東・中央アジア・コーカサス部中央アジア・コーカサス課の香野賢一課長、海外医療機器技術協力会(OMETA)の矢野守専務理事、シスメックス事業統括本部国際協力事業・渉外統括の蛭田嘉英氏、日東メディックの中井俊輔社長、日本ウズベキスタン・シルクロード財団の吉田眞人事務局次長――の7人が、ウズベキスタンにおける経済協力や支援業務、各団体の活動内容について講演した。

人口増加と経済発展で医療需要拡大

このうち、経済産業省の須藤貞美室長補佐は「中央アジア・コーカサス地域等との経済協力関係の深化に向けた取り組み」をテーマに講演した。須藤室長補佐は、中央アジアでは人口増加と経済成長を背景に医療・ヘルスケア需要が拡大していると指摘。経済発展の段階に応じて医療ニーズが変化することにも触れ、低所得段階では感染症対策や病院整備、成長段階では生活習慣病への対応、さらに発展が進むと予防医療や高度医療、先進医療機器への需要が高まると説明した。

ウズベキスタンについては、2025年の1人当たりGDPが約4,000㌦、平均寿命73歳とされ、医療ニーズは生活習慣病対応を中心とするステージ3~4へ移行しつつあると分析。現地政府との意見交換では、検診、画像診断、医療DXへの関心が高いことを紹介した。

また、アジアの医療機器市場は2030年に約2,200億㌦規模へ拡大する見込みで、年平均約10%の成長が続くと説明。画像診断、内視鏡、糖尿病関連機器など日本企業が強みを持つ分野の成長が期待されるとした。

中央アジアはアジア市場の成長を支える新たなフロンティアとして位置づけられ、ウズベキスタンも人口増加と所得向上を背景に医療需要が拡大している。市場規模は中国やASEAN主要国より小さいものの、制度・市場整備が進む段階にあり、早期参入による関係構築の余地が大きいと述べた。

さらに、同国では循環器疾患が主要な死亡原因となっており、WHOも非感染性疾患対策の重要性を指摘していることから、生活習慣病対策や診断・予防領域で日本企業の貢献余地が大きいと強調した。