業界団体

分析・科学機器展「JASIS2026」【JAIMA、JSIA】

3日間で21,699人来場

連日にぎわいをみせた展示会場

日本分析機器工業会(会長=足立正之氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=入江一光氏、JSIA)が共同主催する、アジア最大級の最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS(ジャシス)2026」が、9月2日㈬~4日㈮までの3日間、千葉県の幕張メッセ国際展示場で開催された。今回は約440社(1,328小間)が出展したほか、約400件のセミナーや講演会を開催した。来場者数は前回より1割増の延べ2万1,699人が来場し、会場は終始活気に満ちたまま、3日間の会期を締めくくった。

「ジャシス2030構想」の実現めざす

足立会長

開会式であいさつに立った日本分析機器工業会の足立会長は「分析計測技術は、あらゆる研究開発やものづくりの基盤であり、信頼できるデータがAIの進化や新たなイノベーションを支えている」とし、生成AIをはじめとするデジタル技術や半導体、ライフサイエンス、環境エネルギーなど科学技術がかつてない速度で進化する一方、社会課題は複雑化し、一組織だけでの解決が難しい時代になっていると指摘した。

その上で「異なる知識・技術・人材が出会い、新たな価値を創造する共創が重要になっている。そのうえで、JAIMAはJASISを単なる展示会ではなく、人と技術、人と人、そして産業と社会をつなぐ共創のプラットフォームと位置づける『ジャシス2030構想』のもと、ユーザーを中心としたエコシステムの実現を目指す」との方針を表明した。

今年のコンセプトにふれては「昨年に続き『五感で感じる学び場』で、ラボオートメーションやフィジカルAIといった先端技術に加え、イノベーションフロンティアゾーンやジャシススクールなど多彩な企画を用意した。ぜひ会場を歩き、多くの方との対話を通じ、新たな発想や未来へのヒントを見つけてほしい」と呼びかけた。

科学機器業界として変化の最前線へ

入江会長

続いて、日本科学機器協会の入江会長は、生成AIの急速な進化が研究開発の常識を塗り替えつつあると前置き「実験計画の自動立案や解析の高度化にとどまらず、ロボットと組み合わせた自律的な実験も可能になりつつある。今年度スタートした第7期科学技術イノベーション基本計画でも、科学研究にAIを組み込む『AIフォーサイエンス』の推進が大きな柱の1つに掲げられている。半導体やAI、ライフサイエンス、食品・環境分野をはじめ社会課題が年々複雑化するなか、科学機器業界にはその変化の最前線を支える機器と技術を届ける使命がある」と語った。

今年の注目企画としては「ラボの自動化・効率化を支える技術を集めた『イノベーションフロンティアゾーン』を新設した。従来のラボDXゾーンをさらに充実させ、AIによるデータ解析やロボットを用いた自動実験を実際に体験できる空間となっている。会期中は各分野の専門家によるセミナーや、研究機関と企業をつなぐ交流の場を用意している」と紹介した。

最後に昨年のJASISがコロナ禍以降最大規模で閉幕したことにふれ「今年も昨年同様の盛況を見込んでいる。このような機会を持てるのも出展社や経済産業省・文部科学省をはじめとする関係省庁、関連団体のご支援のたまもの」と感謝の意を示して締めくくった。

イノベーション力の強化が重要

西川審議官

来賓を代表して、あいさつした経済産業省の西川和見大臣官房審議官は、政府が進める大規模な危機管理投資・成長投資や重要技術分野への取り組みについて「サイエンスやテクノロジーは研究や分析が非常に大事で、これがなければ前には進めない。それを分析機器・科学機器メーカーの皆さまが支えていただいていることに感謝申し上げる」と敬意を述べた。

また、AIに関しては「サイバー空間からAIが現実空間に出てきて、新しいデータを取得し、それをさらにAIを活用して生産性向上や新発見につなげていく循環が生まれつつある。JASISの会場にはそうした知恵やアイディアが集まっている」と期待を語った。

一方で、関税や輸出管理、地政学的対立など国際情勢が厳しさを増していることにふれては「不確実な国際情勢の中で自分の身を守るためにはイノベーション力を強化することが重要になる。これは国や企業も同じで、会場に集う企業や研究所の関係者の皆さまがイノベーション力を磨いていただくことが、日本や世界の平和にもつながる」と述べた。

JASIS2026の開会式でのテープカットの様子

このあと、西川審議官と文部科学省の武田憲昌大臣官房審議官、日本分析化学会の山本博之会長、在日米国大使館商務部のデイブ・アバーン一等書記官、足立会長、入江会長の6名がテープカットを行いJASIS2026は開幕した。

今回のJASISでは、440社を超える出展社と多数のセミナーの見学をサポートするため、生成AIが来場者一人ひとりの課題に合わせて最適な出展社・セミナーをレコメンドする新サービス「AI Navi Match」の提供も開始された。展示会コンシェルジュの経験を反映した対話フロー型の生成AIマッチングシステムにより、来場者が効率よく目的の情報にたどり着けるだけでなく、思わぬ気づきや発見との出会いも後押しした。

なお、次回「JASIS2027」は、2027年9月1日㈬~3日㈮(10時~17時)の3日間、今回と同様に千葉県の幕張メッセ国際展示場で開催される。