「創立80周年記念祝賀会」挙行【日科協】
科学機器関係者ら約300名参集

日本科学機器協会(会長=長谷川壽一氏、日科協)は昭和20年12月10日の創立以来、今年で創立80周年を迎えたことを記念して、11月27日㈭午後1時から、東京・丸の内の東京會舘で「記念祝賀会」を開催した。記念祝賀会は1部が記念講演会、2部が式典、3部が祝宴の3部構成で行われ、会員や来賓を含め約300名がお祝いに駆けつけ日科協の80周年を盛大に祝福した。
日本の科学機器産業振興に寄与
第1部の記念講演では東京科学大学の大竹尚登理事長が「東京科学大学の設立と目指す姿~ビジョン駆動型の研究と教育~」、読売巨人軍の原辰徳前監督が「野球と私」をテーマにそれぞれ講演した。
第2部の式典では80周年を記念して各種表彰式を行った。冒頭、式辞に立った長谷川会長は「当協会は1945年12月に『日本理化学機器協会』として設立以来、80年の長きにわたり、日本の科学機器の発展と産業の振興に寄与してきた。このような節目の年を迎えられたのは、歴代会長や役員、事務局、会員企業の皆さまの不断のご支援のたまもの」と感謝の意を表明した。
戦後の科学技術立国への礎を築く

設立当初を振り返っては「今年は戦後80年の歴史的節目の年でもある。廃虚の中から立ち上がり、科学技術を基盤として産業を再興した日本の歩みは、国の底力を示すものであった。その中で当協会が果たしてきた役割は大きく、研究の再開、技術教育の復興、各種理化学機器の国産化など、戦後の科学技術立国への礎を築いてきた」と回顧した。
その後の変遷に言及しては「高度経済成長期には、科学研究や産業技術の基盤整備を支える存在として、国の発展に貢献してきた。21世紀になるとビッグデータや人工知能、DX・GXなどの分野にも関わってきた。そして、政府の2026年からの『科学技術・イノベーション基本計画』骨子案では、力強い新技術の推進と研究力の再興に向けた取り組みも示され、今後も科学機器協会の活躍の場が広がることが期待される」と語った。
これを踏まえ「当協会は時代の要請に応じ、組織の改編や活動の刷新を重ねてきた。2012年には一般社団法人として新たな体制を整え、社会的責任の明確化とともに、産業界や学術機関、行政との連携強化に努めてきた」と日科協の変遷を説明した。
次の100年に向けさらに飛躍へ
協会活動に関しては「当協会は全国1,000社を超える会員の皆さまとともに、今後も若手人材の育成、研究支援体制の強化、技術革新への対応を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく。とりわけアカデミアと産業をつなぐ『橋渡し役』としての使命を果たし、科学技術立国・日本の発展を支える基盤の一翼を担っていく所存である」と述べ、次の100年に向け、さらなる飛躍を祈念した。
次いで、来賓の経済産業省製造産業局産業機械課の須賀千鶴課長が赤澤亮正経産相の祝辞を代読、文部科学省科学技術・学術政策局の馬場大輔参事官が松本洋平文科相の祝辞を代読した。

第3部の祝宴は日本分析機器工業会の足立正之会長の〝乾杯〟で開宴。参加者らはグラスを傾けながら、日科協の創立80周年を祝福し合い、一層の発展を決意した。
なお、式典で行った各種表彰式での表彰者は次の通り。
80周年を記念して功労者を表彰
【経済産業大臣表彰】
▽古太刀利文(日本科学機器協会相談役)
【経済産業省製造産業局長表彰】
▽札場勇二(日本科学機器協会理事)
▽増田太郎(日本科学機器協会相談役)
【会長感謝状】
▽矢澤英人(日本科学機器協会名誉会長)
▽八神基(日本科学機器協会相談役)
▽櫻井勲(オリオン会長兼社長)
▽高木裕明(伊勢久会長)
【功労者表彰】
▽梅垣喜通(東京科学機器協会顧問)
▽松本哲門(大阪科学機器協会事務局長)
▽岩瀬壽(バイオディスカバリー代表取締役)
▽外嶋友哉(日本大学生産工学部非常勤講師)