業界団体

「JASIS 2025」開催【JAIMA、JSIA】

期間中に19,750人が来場

連日、多くの来場者が訪れた展示会場

日本分析機器工業会(会長=足立正之氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=長谷川壽一氏、JSIA)は、共催して9月3日㈬~5日㈮までの3日間を会期に、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS2025」を開催した。国内外企業444社が出展(1,287小間)し、最新の分析機器、科学機器を紹介した。期間中には1万9,750人が来場し、会場は熱気に包まれた。

〝五感で感じる学び場〟を提供

足立会長

JASIS2025の開会式は3日午前9時40分から、幕張メッセ国際展示場ホール6に設置されたJASISスクエア内のメインステージで行われた。

開会にあたり、あいさつしたJAIMAの足立会長は「JASIS2025は分析計測機器や関連製品の展示のほか、〝五感で感じる学び場〟をコンセプトに、来場者の皆さまがリアルな体験から得られるよう付加価値を追求した会場レイアウトに刷新した。オンライン展示会『WebExpo2025』ではAIを活用したマッチング機能を導入し来場者向けサービスを強化した。また、新技術説明会は新たに『出展社セミナー』として生まれ変わり、多様なテーマに対応する柔軟な発信の場として再構築した。さらに、新人技術者の育成を目的にJASISスクールのプログラムを強化した『トピックスセミナー』や『JASISスクエア』も内容を充実させ、リアルとオンラインの両面から価値ある学び場を提供する」とJASIS2025の特徴を説明した。

充実、強化した展示内容を踏まえ「このようにJASIS2025は、様々な社会課題を最新の分析計測検査技術により解決することを理念とし、多様な最新情報を発信する展示会として、ご来場いただく全ての皆さまにこれまで以上に実り多き展示会となるよう、主催者一同全力を尽くしてまいります」と述べた。

科学技術は変革を先導する役割担う

長谷川会長

次いで、JSIAの長谷川会長は「日本は戦後80年を迎え、科学技術基本法が制定され30年になる。戦後、日本は復興と共に高度経済成長で科学技術が著しい発展を遂げ、科学技術立国としての地位を確立した。1995年に科学技術基本法が制定されて以降、国立大学の法人化や省庁再編、研究分野の重点化が進み、近年はソサエティ5.0やカーボンニュートラル、AI、量子などの分野が注目され、科学技術は今なお社会の変革を先導する役割を担っている」と戦後、大きな成長を遂げた科学技術の変遷を回顧した。

JASISについては「当展示会はJAIMAとJSIAが主催する最先端の理化学機器や分析機器に関するアジア最大級の展示会。最新の科学機器にふれ、技術者と交流することでリアル展示会ならではの臨場感と、そこでしか得られない気付きや出会いを通じて新たな発想や連携の芽が生まれることを期待している」と語った。

今年の特徴に関しては「近年、ラボDXやAI、環境、量子など注目トピックスに関連した様々な企画を用意しているが、今年は特にバイオ計測サイエンスとAIをテーマにしたライフサイエンスゾーンを新設し、バイオ産業における分析や計測に関するマッチングの場として展開する。JASISが皆さまにとって新たな発見やビジネス機会の創出につながる有意義な場になることを願う」と述べた。

ビジネス機会の拡大が業界の成長へ

田中審議官

このあと、来賓を代表して、経済産業省の田中一成大臣官房審議官は「今年はJAIMAが設立60周年、JSIAが創立80周年の大きな節目を迎えた中で本日、JASIS2025が盛大に開催されることをお祝い申し上げる。本展示会を通じて、研究開発、品質管理などの幅広い分野へ、分析機器や科学機器の最新情報が提供され、皆さまのビジネス機会がさらに拡大し業界全体の成長につながり、そして我々の未来を支えていただくことを心より願っている」とあいさつした。

「JASIS2025」開会式でのテープカットの様子

ここで、田中大臣官房審議官と文部科学省の福井俊英大臣官房審議官、日本分析化学学会の山本博之会長、米国大使館のダニエル・ルー上席商務官、足立会長、長谷川会長の6 人がテープカットを行い、JASIS2025は開幕した。

展示会場やセミナー会場は連日盛況

開幕したJASIS2025は幕張メッセ国際展示場5~8ホールを使用し、出展各社があらゆる産業の研究分野を支える最先端の分析機器や科学機器を展示した。国内外から研究者や技術者、業界関係者ら幅広い層が会場を訪れ、自身の研究開発に役立つソリューションを求め会場を見て回り、各ブースの担当者とコミュニケーションを図っていた。

展示会場内には大規模ブースに沿った大通り「JASISアベニュー」と、アカデミアやスタートアップ、業界団体の展示エリアをつなぐ「JASISストリート」が設置され、来場者と大小様々な出展社との出会いと交流を活性化させ、来場者の課題解決へのヒントを得られる空間を提供した。

また「出展社セミナー」は約90社が300セッション以上を行った。新製品、新技術の発表のみならず、分析・計測に関する基礎からノウハウまで、展示企業の技術者が分析機器・理化学機器に関する様々な情報を提供した。そのほか「トピックスセミナー」や「JASISコラボレーション」(シンポジウムなど)も人気を集め連日、多くの来場者が聴講に訪れた。

さらに、昨年からスタートした教育プログラム「JASISスクール」は規模を拡大し、業界の人材育成を支援した。今年のテーマは「五感で感じる学び場」で、展示を「見る」、製品を「触って」動かしてみる、セミナーを「聞く」といった体験に加えて、新企画「JASISカフェ」では味覚と嗅覚を刺激するコーヒーの飲み比べイベントも開催。コーヒーが栽培され、製品となり、消費者が味わうまでの工程の中で活躍する分析・科学機器やその技術を紹介した。