役員改選で山本会長 再選【医機連】
記者会見で2025年度事業方針を発表

日本医療機器産業連合会(会長=山本章雄氏、医機連)は、6月10日㈫午後2時から、東京・大手町のKKRホテル東京で「定時総会」を開き、任期満了にともなう役員改選を行い、山本会長が再選したほか、23名の新役員(下記参照)を決定した。
定時総会後に「記者会見」が開かれ、再選した山本会長は、医療機器を取り巻く経済社会情勢に言及し「少子高齢化や人口減少の中にあって、イノベーションの促進と医療保険制度の持続性の両立が求められる一方で、医療関係のマンパワー不足により、地域医療の維持が困難になる懸念が生じている。また、世界情勢をみると、公正なルールの下で自由貿易を行う国際経済秩序が脅かされており、医療機器を含め、わが国の資源・部材の調達、製品の輸出への影響が懸念される」と医療機器産業界の厳しい環境下を説明した。
一方で、医療機器産業は今後も成長が期待されていることにふれ「医療機器産業は新たなイノベーションの成果を活用することで良質な医療サービスを安定的に国民に提供し、医療現場の負担軽減に寄与していくためには、今後の社会情勢を見据えながら、医療システムや経済社会システムで、医療機器の特性を踏まえた制度の見直しや環境づくりを進めていく必要がある」と語った。
医機連ビジョン推進へ
7つの柱の実現に向け事業展開
これを踏まえ「医機連では『いつでもどこでも安心して受けられる医療と健康への貢献』をキーメッセージとして、昨年6月に医機連産業ビジョンをアップデートした。ビジョンの具現化に向け、各種活動を展開していく」と述べた。
医機連産業ビジョンで掲げた7つの柱としては、①イノベーションを実現し社会に届けるための環境整備の促進②医療機器の継続した安定供給の実現に向けた取り組み③医療機器・技術のグローバル化を通じた医療機器産業の発展④国民のヘルスリテラシー向上への貢献⑤持続可能な社会に向けた地球環境と医療の質のバランシング⑥医療機器産業の基盤となる人材獲得と育成⑦健康・医療に貢献する健全で信頼される産業への研さん――を列挙し、7つの柱ごとの活動内容を説明した。
具体的な活動内容としては、▽医療機器のみらいを担う人財育成プロジェクト▽データ利活用の推進のための環境整備▽医療機器のサイバーセキュリティの確保▽日中の官民一体での連携強化▽医療機器規制の国際整合▽「医療機器規制と審査の最適化のための協働計画」に基づいた活動▽中医協保険医療材料専門部会での業界意見陳述に向けての検討▽プログラム医療機器に関する政策と普及に関する検討▽医療機器の安定供給に関する調査研究▽スタートアップと既存企業の連携▽次世代薬機法改正対応▽医療機器基本情報DB――などの活動を挙げた。
日本医療機器産業連合会新役員体制
◉会 長
山本 章雄(日本医療機器産業連合会、富士フイルムメディカル)
◉副 会 長
宮田 昌彦(日本医療機器テクノロジー協会、朝日インテック)=筆頭/新任
田村 隆司(電子情報技術産業協会、日本光電工業)
松本 謙一(日本医療機器工業会、サクラグローバルホールディング)
小西 賢三(日本医療機器販売業協会、小西医療器)
瀧口登志夫(日本画像医療システム工業会、キヤノン)
◉専務理事
中井川 誠(日本医療機器産業連合会)
◉常任理事
中島 孝夫(日本医療機器協会、秋山製作所)
山中 一剛(日本歯科商工協会、ヨシダ)
山本 富造(日本ホームヘルス機器協会、山本化学工業)
田中 吉修(日本眼科医療機器協会、トーメーコーポレーション)=新任
佐竹 弘行(日本医療機器産業連合会、日本光電工業)=新任
◉理 事
山本 一史(日本医用光学機器工業会、 富士フイルム)
西村 秀樹(日本医療機器ネットワーク協会)
保科 保志(日本医療用縫合糸協会、 秋山製作所)
一橋 俊司(日本衛生材料工業連合会、ハクゾウメディカル)
川浦 康嗣(日本コンタクトレンズ協会、メニコン)
久米 孝之(日本コンドーム工業会、オカモト)
奥田 宏(日本理学療法機器工業会、オージー技研)
小野 徳哉(日本臨床検査薬協会、島津ダイアグノスティクス)
折橋 敏秀(日本分析機器工業会、日立ハイテク)=新任
◉監 事
東條 大輔(日本補聴器工業会、コルチトーン補聴器)=新任
青戸 義彦(日本補聴器販売店協会、ヒヤリング技研)=新任
樋口 幸一(公認会計士・税理士)