医療機器の体験型学習を実施ーJMIAユースアップの会
湯島小学校の全学年を対象に
日本医療機器協会(理事長=今村清氏、日医機協)加盟企業の若手経営者や幹部社員らで組織するJMIAユースアップの会(代表幹事=山﨑隆次氏)は、事務局を構えている東京・文京区の本郷、湯島地域への地域貢献活動の一環として、10月19日㈭に湯島小学校で、小学生向け医療機器関連の体験型学習「第4回見て、触って、体験して学ぶ医療機器展示会」を開催した。また今回、体験型学習では初めて、今村理事長が5年生を対
象に、本郷、湯島地域になぜ医療機器の会社が集積しているか、など地域の歴史について『特別授業』(別掲参照)を行った。
本郷、湯島地域は医療機器企業の集積地として『メディカルヒルズ本郷』と呼ばれ、約440社の医療機器関連企業が軒を連ねている。ユースアップの会が実施する医療機器体験学習は、この地域の小中学校で学んでいる子どもたちに、医療機器を間近で『見
て』、『触って』、『体験』してもらうことで、医療や健康の大切さを感じ、そして自分たちの生活する地域のことを学んでもらうことを目的に開催している。
この医療機器展示会は、日本初の小学生向けの医療機器関連の体験型学習として、平成26年に今回と同じく湯島小学校で第1回が開催された。以来、毎年実施され、2回目が本郷台中学校、3回目が本郷小学校で実施され今回、3年ぶりに湯島小学校での開催となった。
4回目の今回は湯島小学校の体育館に12社が出展。1年生から6年生まで、全学年が医療機器の体験学習を受けた。生徒らは各社ブースで、出品の医療機器がどんな病気の診断や治療に使われているかの説明を受けたあと、実際に医療機器を手に取り、使用体験に取り組んだ。生徒らは時には真摯な眼差しで、また時には笑顔で、楽しく医療機器の体験学習を受けていた。
今回、出展した各社の出品製品や体験学習の内容は次の通り。
出展各社の体験学習の内容
◇イマムラ=聴診器、パルスオキシメーター(脈拍、体温、血圧、呼吸の測定)
◇秋山製作所=縫合材料、鋼製小物(手術する時の縫合針などの展示)
◇河野製作所=顕微鏡、スーパーマイクロサージャリー用持針器(縫合体験、顕微鏡で世界最小の縫合針をのぞく)
◇アイエスケー=嘔吐処理袋、アイシング用品(嘔吐処理袋内の吸収材に水を入れ固める体験や、アイシング用品を冷やして感触を確認)
◇牧口ゴム=手術用手袋、入院患者識別バンド(手袋と識別バンドの装着)
◇アトムメディカル=保育器(未熟児人形を使い保育器内を触ってもらいお母さんのお腹の環境を体験)
◇第一医科=フレンツェル眼鏡、平衡機能計(フレンツェル眼鏡を使って目の動きを観察。平衡機能計を使ってめまい時の目の動きや体の傾き検査体験)
◇トミーメディコ=遠心分離機(手のひらサイズの遠心分離機の展示)
◇富士医療測器=吸引器(吸引作業体験)
◇プラトンジャパン=歯科用インプラント模型、歯科用器具(口腔内ミラーで人形の口の中を観察。模型で抜歯・インプラント埋入体験)
◇ケイセイ医科工業=電気手術器(実際に鶏肉で試用)
◇オカダ医材=陰圧式固定具マジックベッド(陰圧式固定具で体圧固定を体験)
◇バイオ・インターナショナル=スポーツ用車いす2台、普及型車いす1台(各車いすの違いを実際に体験)
今村理事長が「特別授業」
湯島小学校の5年生に
JMIAユースアップの会が10月19日に湯島小学校で実施した医療機器の体験型学習では今回初めて、同校の5年生を対象に、日本医療機器協会の今村清理事長による「特別授業」が行われた。
今村理事長は授業で『メディカルヒルズ本郷』と呼ばれる本郷、湯島地域には約440社の医療機器企業が集積していることについて、その歴史を江戸時代までさかのぼり、東京大学病院の周辺に医療機器企業が集まってきた経緯を生徒らにわかりやすく説明した。
また、100年以上の歴史がある日本医療機器協会の歴史を解説したほか、現在の協会の活動にふれては医工連携で医療機器の研究、開発を推進し、メディカルヒルズ本郷から世界に向け、医療機器を発信する取り組みを紹介した。