業界団体

「骨太の方針」に向け提言【AMDD】

保険医療材料制度や国際整合などの検討を

米国医療機器・IVD工業会(会長=玉井孝直氏、東京都港区、AMDD)は、イノベーションを推進し、質の高い医療を提供し続けるために官民一体となって取り組むことを目指し、本年度の「経済財政運営と改革の基本方針2025(骨太の方針)」に向けた提言を提出した。

提出した提言は、①デフレ経済からの脱却にともなう物価の高騰・コスト増に適応した保険医療材料制度の検討②デバイスロス・デバイスラグ解消のための薬事規制の国際整合のさらなる推進③デジタルヘルス技術を見据えた診療報酬上の評価の推進④官民の連携による医療データの二次利用の促進・加速(製品開発への利用など)――の4つ。

「デフレ経済からの脱却にともなう物価の高騰・コスト増に適応した保険医療材料制度の検討」では、医療機関の購入価格が償還価格を上回る、いわゆる「逆ザヤ」の場合に償還価格を引き上げるルールの導入を提言した。

その背景は、世界的な物価・材料費の高騰や為替の変動が医療機器・体外診断用医薬品の製品コストにも大きく影響し、医療現場や患者に製品を安定的に供給するにあたっての課題となっている。加えて物流業界の働き方改革にともなう輸送労働力の減少がこれに拍車をかけている。安定供給を担保するためには新たな保険医療材料制度の検討が必要と判断し、提言した。

「デバイスロス・デバイスラグ解消のための薬事規制の国際整合のさらなる推進」では⑴薬事規制の国際整合とリアルワールドデータ(RWD)利活用のさらなる推進⑵日本における医療機器開発の活性化に向けた臨床試験・臨床研究に関するプロセルの共通化――を提言した。

その事由は、薬事規制の国際整合は前に進んでいるものの、品目によっては診療報酬上の評価が低いために、米国用と別に日本向けの試験実施などのリソースをかけることができないと判断せざるを得ない場合があり、米国で使用できている医療機器が日本で使用できない、または適応が限られるという状況が存在している。医療の質の向上と健康寿命の延伸のためには、最新の医療機器が日本でスムーズに開発され、使用できる環境が必要と考え、提言した。

「デジタルヘルス技術を見据えた診療報酬上の評価の推進」では⑴アウトカム評価の拡大⑵医療従事者の負担軽減に資するイノベーションの評価の導入――を提言した。

その理由は、医療DXのさらなる発達により、医療現場での業務効率の向上や遠隔医療の拡大、医療研究の進展が見込まれ、より質の高い医療の広く効率的な提供と医療の安全性の向上にもつながると期待されている。デジタルヘルス技術を活用し、価値あるイノベーションを採用した医療技術を迅速・適切に現場や患者へ届けることができるよう、これまで中医協などで議論されてきたが、さらなる進展のための新評価制度による環境整備が必要である、との思いから提言した。

「官民の連携による医療データの二次利用の促進・加速(製品開発への利用など)」では24年度の骨太の方針や規制改革実行計画における「デジタルヘルスの推進」の記載事項の実現および医療データの製品開発への利用の推進・加速に向けた、政府関係部門との課題や事例の共有を通じた官民の連携の強化、医療データ活用への国民理解の醸成などを提言した。

【米国医療機器・IVD工業会について】
米国に本社がある、または米国でビジネスを行う、医療機器や体外診断用医薬品(IVD)を扱っている企業によって構成される工業会。会員企業は製品の輸入販売だけでなく、日本での研究開発や製造を行っている。