業界団体

50周年を迎え一層の発展へ【日医工】

「日医工ビジョン」の実現へ活動展開

「2024年度定時総会」での審議の様子

日本医療機器工業会(理事長=松本謙一氏、日医工)は、8月28日㈬午後3時から、東京・丸の内のパレスホテル東京で「2024年度定時総会」を開催した。また、日医工は昭和49年の創立以来、今年7月で50周年を迎えたことを記念して、総会終了後は「創立50周年記念講演会」「創立50周年記念祝賀会」を挙行した。

松本理事長

定時総会の冒頭、あいさつした松本理事長は「今年は日医工にとって50年の節目の年となる。50年前にさかのぼって考えると、私もその頃は若造で、創立にあたりお手伝いをしたことや、色々な事があったことを思い出すと感無量です。先人や諸先輩のご尽力のおかげでここまできた」と日医工50年の歴史に尽力した関係各位に感謝の意を表明した。

今後、世の中がますます進歩発展することを踏まえ「組織内にロボット研究会を立ち上げた。医機連20団体の中でもロボットに関する研究会を立ち上げたのは日医工が最初となる。また、日医工はこれまで会員がハードウェア企業に偏っていたが、今後はソフトウェア企業とも組み、ソサエティ5.0にふさわしい工業会として歩んでいきたいと思う」と未来を見据えた。

このあと、松本理事長が議長となり、穴田専務理事が「会員総数131名中、出席40名、委任状提出53名、計93名」と総会成立を報告し、議事録署名人に林正晃、松原一郎、東竜一郎の3副理事長が選任され議事の審議に入った。

2023年度事業・決算報告を林副理事長、監査報告を本田宏志監事、役員の選任を東副理事長、24年度事業計画・予算を松原副理事長が、それぞれ報告、説明を行い、原案通り承認、可決した。

このうち、役員の選任では理事会社の担当者の変更にともない、PHCの山田純・医療政策渉外部上席部長が新理事に就任した。

24年度事業計画では「日医工ビジョン」(①医療機器の法制度、産業振興における行政への積極的な発言・提案②常に進化し、改良改善を重ねる医療機器の安全・安心の確保③これまでにない製品の開発、マーケット拡大のための医療機器開発事業化をサポート④日本の医療機器を普及させるための海外展開の促進⑤高い企業倫理に基づいた公正な事業活動の推進)の実現のため、4つのコミュニティ会議(下記参照)と連携し、各委員会活動を活発化させる。特に新設した「医療用・介護用ロボット委員会」と「洗浄滅菌委員会」の活動に重点を置く。

また、会員企業のコンプライアンス遵守を推進するため、講演会や研修会、機関誌、ホームページなどを活用し、特に経営トップ層へのコンプライアンス意識の向上を図っていく。

4つのビジョンコミッティ会議の事業方針

マネジメントコミッティ会議=他のコミッティと協力、連携し、日医工ビジョンの実現に向けて、事業活動全体の円滑な運営を推進する。
政策・戦略コミッティ会議=組織内6委員会(総務、国際政策、法規関連、医療保険、UDI、広報企画)が協力連携し、国内外と連携し、政策に対しては協力・提言し、会員企業には情報提供・意見集約を通じて戦略的に会員企業の価値向上を目指し、医療機器産業の幅広い振興を目指す。
コンプライアンスコミッティ会議=会員企業トップの意識向上を実現する。データを利活用し、会員企業のコンプライアンス意識を向上させる。
安心・安全コミッティ会議=医療従事者向けに適正使用セミナーと会員企業向けに最新情報セミナーなど情報提供を継続し、また海外とも連携し、医療現場の安全と安心につながる啓発と改善を目指す。

創立50周年記念事業
「記念講演会」「祝賀会」開催

渋谷理事長

総会終了後は「創立50周年記念講演会」として、Medical・Excellence・JAPAN(MEJ)の渋谷健司理事長が『日本の医療機器の国際展開について』をテーマに講演した。

講演で渋谷理事長はサバイバル時代である現代を生き抜くヒントとして「自分を知り、健康であることが一番の武器になる」と健康の大切さを呼びかけ「サバイバルの時代は医療産業こそが国の軸となるべきだ」と訴えた。

引き続き「創立50周年記念祝賀会」には会員をはじめ国会議員や行政機関の担当官、関係団体の役員ら多数がお祝いに駆けつけた。オープニングでは日医工の50年の歩みを編集した動画が映写され、歴代理事長が取り組んだ活動を振り返った。

ジャパンヘルスに出展し産業貢献へ

50周年を祝い〝乾杯〟

開会にあたり、あいさつした松本理事長は「来年の大阪万博に関連して6月25~27日の3日間、大阪でジャパンヘルスという大きな国際展示会が開催されるが、そこに50周年記念事業の一環として出展するのでご期待いただきたい。日医工では記念事業を点ではなく線で考えており、本日のレセプションのような点のお祝いだけではなく、線で日本の産業に貢献できればとの思いを込めジャパンヘルスに出展する」と語った。

次いで、来賓を代表して武見敬三厚生労働大臣(ビデオメッセージ)、古川俊治参議院議員、上川陽子外務大臣(メッセージ)、厚労省医政局の内山博之医薬産業振興・医療情報審議官、厚労省の城克文医薬局長、経済産業省の南亮商務・サービス審議官、日本医療機器産業連合会の山本章雄会長――らが、それぞれの立場で日医工の50周年を祝福するメッセージを述べた。

ここで、松原副理事長が〝乾杯〟の発声を行い、祝賀会は開宴した。参加者らはグラスを傾けながらそれぞれに日医工の50周年を祝福し合った。

祝宴中には創立50周年記念表彰式が行われ、日医工の発展に貢献した大村昭人(帝京大学医学部名誉教授)、中根伸一(メトラン副会長)、飯田隆太郎(サクラグローバルホールディング・ガバメントアフェアーズ担当部長)、沖山翔(アイリス代表取締役)――の4氏に表彰状と記念品を贈った。

ひとときの歓談のあと、林副理事長の〝閉会あいさつ〟で祝賀会は散会となった。