「創立70周年記念式典」開催【兵庫県医療機器協会】
阪神淡路大震災やコロナ禍を乗り越え兵庫県の医療支える
兵庫県医療機器協会(会長=五嶋淳夫氏)は1954年3月に兵庫県医科器械商業組合として発足以来、今年で70周年を迎えたことを記念して、7月27日㈯に新神戸のANAクラウンプラザ神戸で「創立70周年記念式典」を挙行した。兵庫県の産官学より、19名を越える来賓を含め、式典113名、祝賀会110名におよぶ参加者を迎え、盛大に70周年を祝った。
式典の冒頭の物故者への黙祷の後、あいさつに立った五嶋会長は「兵庫県医療機器協会は1954年3月に兵庫県医科器械商業組合として初代宮野会長のもと18社で創立された。その後、兵庫県医理化器械同業組合、兵庫県医理化機器協会に改称され、2008年現在の兵庫県医療機器協会になり、現在に至る。現在の会員は39社、主に医療機器販売業が大半だが、理化学機器の会社や、医療機器の製造業者も会員となっている。創立以来70年が経つが、協会は創立当初から会員同士の親睦を深めること、会員企業の従業員の資質向上を目的とし、懇親会や親睦会、勉強会などを行ってきた」と同協会の歩みを回顧した。
医療機器の安定供給を推進
医療機器の安定供給に言及しては「この70年の間に我々、医療機器を扱うものとして1 番重要に思っていることは医療機器を医療機関に安定供給することにある。兵庫県では来年1月で30年になる阪神淡路大震災があった。今のようにSNSで情報が取れるわけではなく、テレビとラジオが一般の人の情報収集ツールの時代だった。被災して協会としても機能せず、会員企業それぞれが医療機関に対して、なんとか届けようと必死に活動していた。また、新型コロナウイルスでは感染が始まったころは、どのようなものかわからず、事業所で感染者が出た場合、事業所が一時閉鎖されることも余儀なくされた。協会では一時閉鎖された企業をサポートする取り決めをしたが、幸いにもこの取り決めが発動されることはなく、無事にできる限りの安定供給は続けられ、乗り越えてこられたと思う。阪神淡路大震災以降も日本では東日本大震災や能登半島地震など多くの災害があったが、おそらく兵庫県医療機器協会が全国で先駆けて県との間で災害時の医療機器の供給に関する協定を結んだ。現在では全国の自治体が各地域の医療機器協会と協定を結んでいると聞いている。こういった経験をしながら我々は地元の医療を支えている。そして会員企業の従業員はそれを誇りに思って仕事をしている」と述べた。
医療機器の適正使用支援業務に言及しては「我々は安定供給以外にも取り組んでいることは、医療の安全安心に向けての医療機器の適正使用支援業務となる。そのために会員企業の資質向上のため、いろいろな取り組みをしていこうと考えているので、ご協力いただければと思う」と語った。
次いで、来賓の兵庫県病院局の梅田孝雄・病院局長が「県立病院を運営するものとして、医療機器の安定供給という面で医療機器協会や協会員の皆様のご協力をいただきながら、安全安心な医療を持続的に提供していくことが必要だと思っている。今後も兵庫県の医療にますます貢献されますことを祈念する」と祝辞を述べた。
また、日本医療機器販売業協会の山下尚登会長は「医療保険制度の中で医療機器業界の活動は常に透明性を確保すること、質の高い活動が求められている。医療機器の安定供給という最大の使命を果たすべく、兵庫県医療機器協会と今後とも連携し、医療機器業界の発展に持続的に努力していきたい」とエールを送った。
協会功労者と永年勤続者を表彰
このあと、長年役員を務めてきた顧問の髙井國昭氏(髙井医療器)と名誉会員の宮野淳氏(宮野医療器)の2人が兵庫県医療機器協会の功労者として表彰された。
さらに、会員企業の10年以上勤続者331人、20年以上勤続者228人、30年以上勤続者98人の計657名が五嶋会長より永年勤続表彰を受け、第1部の式典を終えた。
第2部ではテレビのキャスターやニュース解説などで活躍する大阪綜合研究所局長の辛坊治郎氏による記念講演会「未来を見通す!~正しい判断に必要なこと~」が行われた。辛坊氏は若い人の日本語の変化やマスコミの偏向報道、ヨットでの太平洋横断での海難事故と救助など我々が正しいと思っていたことが実は間違っている話や、ヨット事故をきっかけに考え方や生き方が大きく変わった話を披露した。淡々と話す口調とテレビで見るままのさすがの話術で会場中が時間を忘れて、聞き入った。
引き続き、祝賀会となり、式典の実行委員長で兵庫県医療機器協会・河野和行副会長のあいさつや、兵庫県保険医療部の山下輝夫部長、兵庫県薬事協会理事で兵庫県薬剤師会の吉田太郎副会長の祝辞が行われた。
ここで、五嶋会長、河野副会長と来賓代表者による鏡開きに続き、大阪医療機器協会の千種康一会長の乾杯の音頭で開宴となった。会場ではフルート奏者の野田博行氏とピアノ奏者の河合琴絵氏による演奏もあり、和やかな雰囲気の中、参加者らは歓談した。最後は兵庫県医療機器協会の宮野哲副会長の締めのあいさつで閉会となった。