業界団体

医療機器マッチング商談会ー大阪医療機器協会

出展47社、来場者500人で大盛況

大阪医療機器協会(会長=堀井孝一氏)は大阪産業創造館(大阪市都市型産業振興センター)と共催して、9月15日㈮午前11時から、大阪市中央区の産業創造館で「第7回医療機器・ヘルスケア機器マッチング商談会」を開催した。今回は出展募集の定員社数40社のところに、医療機器産業に参入をめざす企業47社が出展。各社が自社の技術力を積極的にアピールした。

大盛況のマッチング商談会の会場

第7回商談会には募集定員社数を大幅に超える、ものづくり企業が出展したため、産業創造館の3・4階の通路や広場スペースにブースを増設して開催した。前回を上回る500人を超える来場者を得て、一時は狭い会場は人で溢れるほど盛況を見せた。

この商談会は平成25年9月に開催した『医療機器開発・販路開拓マッチング商談会』を継承するもので、商談会成立をより明確にして、協会加盟のカタログ販売を行っている企業との橋渡しをするブースを設けるなど、出展企業が出口に直結できる商談会となっている。

商談会は元をたどれば6年半前に大阪医療機器協会が異業種交流を図るためにマッチング会員制度を設けた事に始まる。当初はセミナーと名刺交換会を開催していたものの、より効果の大きい展示会形式にしたものがはじまり。

出展料を必要経費分の1社2万円。来場者は大阪を中心とした関西の業界団体加盟企業(約350社)の医療機器・介護機器の販売・製造・製造販売業者や、大阪科学機器協会の理化学機器メーカーのほか、共催の大阪市都市型産業振興センターや近畿経済産業局、大阪府バイオ振興課・大阪商工会議所・MOBIO(ものづくりビジネスセンター大阪)、東大阪市、八尾市などの協力団体をはじめ、医療機器業産業への参入をめざす企業を支援するために関西で結成された医工商連携開発機構などの協力もあり、多くの関係者が会場を訪れた。

医療現場のニーズ把握が大事

妙中氏が医療機器開発のヒント解説

妙中氏

開会の午前11時前には来場者が受付周辺に列をつくり、狭い会場は瞬くうちにいっぱいに。午後1時30分からはセミナー「我が国の医療機器イノベーション戦略の現状と将来―異業種から医療機器産業への参入のために知っておくべきこと―」をテーマに、国立循環器病センター客員研究員・妙中義之氏によるセミナーが始まり、こちらの方にも大勢の人が流れる。

セミナー会場

妙中氏は医療機器開発における政府が行っている施策などについて、医療機器促進法やAMEDの動きなどについて説明。重点5分野(手術支援ロボット、人工組織・臓器、低侵襲治療、画像診断、在宅医療機器)があり、中小企業にとっても開発には援助が充実していることを解説した。

ただ開発には「医療現場のニーズから出発」することが大切で『単純に良い技術がある』、『言われて作ってみた』では「商売上成功しない」とした。

「いきなり試作品を作るのではなく、市場ニーズがどの程度広がるか、薬事の問題はあるか、ビジネスモデルは検討したか、などさまざまな課題を考慮して、販売までを見通した上でスタートすることが大切」とした。

もっとも中小企業にとっては全ての課題を解決するのは無理が多く、そのためには「節々でアドバイスを送る伴走コーディネーターが大きな役割を果たす」として「支援ネットワークの活用が不可欠である」とし、大阪商工会議所などが行っている『次世代医療システム産業化フォーラム』の活用などを提案し、同時に今回のマッチング商談会の主催者にも「支援ネットワーク」の設立などを呼びかけた。

また『医工連携』は医学と工学の連携ではなく『医学』と『工業』の連携であると強調し「ビジネスをすることが重要」と呼びかけ、セミナーを終えた。

セミナーが終了して聴衆が展示場に戻ってきた午後3時頃が来場者のピークとなった。会場には医療機関への販売ルートを求めている企業、医療機器製造販売業者にOEM供給を狙う企業、医療機器製造業者に技術を売り込みたい企業――などが来場者に自社製品や技術について説明。タイアップを求めて一生懸命に売り込みをしていた。

会場には限りなく真円に加工され長期の体内留置が可能な人工関節や輸液コントローラ、負担の少ない離床センサー、レーザーサーミア装置、介護機器――などのほか、技術的には試作品の支援・コーティング・金属加工・プラスッチック加工技術などが展示された。

また、第3回商談会から設けられた医療機器などのカタログ販売を行っている企業のブースには、来場者が希望する商品をカタログ販売会社が必ず繋ぐというBOXコーナーが設置され、好評を博していた。

午後5時30分からは『来場者・出展社合同情報交換会』を無料で開催。4階のセミナー会場を設営し直した場所で、ビールや軽食が用意され、大阪医療機器協会の千種副会長のあいさつで開宴。来場者や出展者ら大勢の関係者が参加して、談笑しながら情報交換が行われ、午後6時30分に終了となった。