業界団体

重点7施策を柱に活動推進へ【日医機協】

「通常総会」で事業計画・予算を決議

「令和6年度通常総会」での審議の様子

日本医療機器協会(理事長=中島孝夫氏、東京都文京区、日医機協)は、5月21日㈫午後3時30分から、東京・上野公園の精養軒で「令和6年度通常総会」を開催し、新年度事業計画と収支予算を打ち出した。引き続き「令和6年度永年勤続優良従業員表彰式」を挙行後、永年勤続優良従業員も参加して「懇親会」が催された。

総会は司会の吉本英治総務委員が「会員総数258社中、委任状提出も含め出席164社」と総会成立を告げ開会した。

中島理事長

これを受け、あいさつした中島理事長は厳しさが続く業界環境にふれ「戦争によるエネルギー価格の上昇に加え、円安による物価高騰でコストアップを容易に価格転嫁できない中小企業は厳しい状況に置かれている。特に医療機器産業は6割以上が輸入品で、医療機器の安定供給に影響を及ぼすのではと危惧している」と憂慮した。

また、物流の2024年問題に言及し「残業時間の規制により、1人の人が長時間、働くことができないため人手不足が発生し、物品の遅配が懸念される。これも医療機器の安定供給の問題となり、物品の納期を守らなければ患者が待つ医療機関に多大な迷惑をかけることになる」とし、解決策を考える必要性を強調した。

日医機協の事業に関しては「昨年度は記念事業として、通常総会後に『創立112周年記念式典』を開催するとともに、記念誌『日医機協112年の歩み』を発刊した。今後の事業としては年頭所感の7項目を基本に、さらなる協会発展に向け、会員企業に有益な事業、魅力ある事業を目指していきたい」と述べ、協会事業への理解と支援を求めた。

このあと、議長に五十嵐医科工業の五十嵐康夫社長を選出し、議事の審議に入った。議事は令和5年度事業・収支決算報告、令和6年度事業計画・収支予算など。いずれの議事とも奈良明美事務局長が報告、説明を行い、全議事とも原案通り承認、可決した。

このうち、令和6年度事業計画では中島理事長が年頭所感で掲げた重点施策として、①各種講演会の開催(Webなど活用)②医工連携事業の推進③展示会出展などについて④関係官庁との連携⑤会員企業間の交流⑥会員のための医科器械会館の管理・運営⑦災害対策・災害救援活動・BCPなどの研究――の7項目を中心に、各委員会、部会で各種事業に取り組んでいく。

特に、各種講習会事業に関しては、今年度が診療報酬改定の年でもあることから、診療報酬改定のWeb講習会を企画するほか、継続的研修については受講者の利便性と行政からの要望も踏まえ、受講受け付けから修了証発行までの全プロセスの完全オンライン化を計画している。

そのほか、医工連携事業では、医療機器産業が集積する文京区本郷台地を〝メディカルヒルズ本郷〟と標榜し、日医機協の医工連携キャッチフレーズとして、全国のものづくり企業とのリアルとオンラインでの展示・商談会を開催していく。

総会終了後は「令和6年度永年勤続優良従業員表彰式」を挙行し、計64名の永年勤続優良従業員の永年の努力をたたえた。引き続き、「懇親会」には会員のほか来賓の行政や上部団体の役員、永年勤続優良従業員ら約110名が参加した。参加者らは情報交換と親睦を深め合った。