業界団体

事業規模を縮小して再出発【平成いわしや会】

時代の変遷にともない親睦会に

平成いわしや会の「第25回総会」の出席者

社名に〝いわしや〟の屋号を冠する医療機器販売業社で組織する平成いわしや会(会長=西方晃・いわしや西方医科器械会長)は、9月16日㈯・17日㈰の両日、東京で「第25回総会」を開催した。総会では平成いわしや会が設立以来25年間、毎年、全国各地で総会を開き、会員相互の研修や親睦を中心に活動をしてきたが、会員の高齢化や、〝いわしや〟を冠する会社の減少など、時代の変遷にともない、これまでの活動に終止符を打ち、今後は事業規模を縮小し「いわしや親睦会」(仮称)として活動を継続していくことを決定した。

時代に見合った活動を展開へ

「第25回総会」は9月16日午後12時30分から、東京・日本橋本町のサクラグローバルホールディングの会議室で行われた。

開会にあたり、あいさつした西方会長は「当会は由緒ある〝いわしや〟の名前を社名に冠する同士の集まりで、いわしやの歴史探訪や会員相互の研修・親睦を目的に活動してきたが、この25年間でわずかながら目標も達成できたと思い、今総会をもって幕を閉じさせていただく。今後は『いわしや親睦会』として、私が健康高齢者のうちは存続させていきたい。ホームページに関しては『いわしやサクラ』のホームページ内に掲載させていただくことになっている」とし、設立以来、毎年開催していた総会が今回で最後となることを含め、同会へのひとかたならぬ思いを語り、今後は親睦会として時代に見合った活動を行っていくことを表明した。

平成いわしや会の事業活動に関わった関係者各位への感謝の気持ちを表しては「当会がこれまで継続できたのは、発会式の段階から松本謙一最高顧問の並々ならぬ、いわしやに対しての思いの深さのお陰です。そして松本最高顧問を支える当会の田村幸一郎顧問なくしては存続もおぼつかなかったと思います」と述べた。

次いで、本郷いわしやの古関会長が第25回総会の開催までの経緯説明を行ったあと、西方会長が発会式からこれまでの活動を回顧しながら全国各地で開催してきた総会の内容を報告した。

「広報」と「ホームページ」は継続

また、これまで発刊していた『広報いわしや』と同会ホームページに関しては、いわしやサクラの田村社長が「今後は弊社が『広報いわしや』を発行していく。ホームページに関しても弊社ホームページ内に掲載していく」と継続していくことを説明した。

凡者は歴史と経験から未来を学ぶ

そのほか、総会では松本謙一最高顧問が業界の近況を含めあいさつを行った。松本最高顧問は「昔から『賢者は歴史から学ぶ、愚者は経験から学ぶ』と言われるが、個人的には『凡者は歴史と経験から未来を学ぶ』ということを時折口にしている。歴史から学ぶことは多々あり、経験から学ぶことも大切だと思う。その最たる例が新型コロナウイルスで、今回の経験が一般人はもちろん医療機関でも学ぶことが多かった」と述べた。

歴史と経験から学ぶの一例を挙げては「今年は関東大震災から100年が経過したが、弊社(サクラ精機)の社屋は、関東大震災で丸焼けになった。その経験を活かし、建て直す際に地下室を作り、そこに古文書のような貴重な資料などをしまっておいた。その後、社屋は戦災でまた丸焼けになったが、地下室にしまってあった資料は焼けないですんだ。これがまさに歴史と経験から学ぶということだと思う」と語った。

米国の医療事情に言及しては「米国では大きな病院よりもベッド数の少ない日帰り手術が可能なクリニックが年率6%で増えている。医師の中には午前中に大きな病院に勤務し、午後は自身が経営するクリニックで働いている人も多い。患者に入院が必要な場合は自身が勤める大きな病院を紹介するなど連携を図っている。また、自身が経営するクリニックには急患など深夜残業もないため、医師の働き方改革にも通じている」と解説した。

日本の医療事情にふれては「全国の国立42大学44病院の2022年度の経常利益は前年度比2.2%減の2.5%で、金額にすると386億円となる。これまでと同じような病院経営をしていると赤字になってしまうので、これを補うため、医療機器に関していえば、使用年数を2~3年延ばしていくようなことが考えられる。これに対して、医療機器業者はメンテナンスやアフターサービスでカバーしていかないと、売り上げが落ち込んでしまうことが予測される。そのほか、高齢者の増加にともない、介護に関する事業が求められており、医療機器業者も今後、介護事業に力を入れていくべきだろう」と厳しさが増す業界環境を憂慮し、知恵を出し合い対応していくことを呼びかけた。

総会終了後は東京観光が行われ、近くの貨幣博物館を訪れ、古代の大判・小判から近代の日本銀行券まで、お金の変遷を見て回った。その後、常盤橋の渋沢栄一像を見ながら移動し、懇親会会場となるロイヤルパークホテルに向かった。

懇親会では来賓の杏友医療機器協同組合の種田光利理事長や、神奈川県医療機器販売業協会の国分雅広理事長、丸山哲司副理事長の3氏も交え、和やかなに歓談した。

2日目は迎賓館の見学、靖国神社に参拝後、ロイヤルパークホテルで昼食をとり、午後2時に解散となった。