30周年を迎えさらなる発展へ【OMETA】
「2023年度通常総会」を開催
海外医療機器技術協力会(会長=松本謙一氏、OMETA)は、6月15日㈭午後3時から、東京・飯田橋のホテルメトロポリタンエドモントで「2023年度通常総会」を開催した。総会では新年度の事業計画とそれにともなう予算を決定した。
総会の開会にあたり松本会長は「OMETAは平成5年に、日本医薬療品輸出組合を母体として設立され、今年で30周年となる。同組合では医薬品と医療機器を一緒に取り扱っていたが、それぞれ独立することになり、医療機器の方には受け皿がなかったのでOMETAを設立した。30年が経ち、ODA(政府開発援助)関連の活動を通してOMETAの存在意義も大きくなっている」とOMETAの歴史を回顧した。
また、現場目線の重要性に言及しては「先日、北海道旭川市の東川町を訪れ、外国人の介護福祉人材育成のための施設を視察した。東南・中央アジアを中心に13か国から100人ほどが来日し勉強していた。日本では2025年に団塊の世代が75歳以上になり、その時に介護職の人材が33万人足りないといわれている。外国人に介護を頼る時代になったことを身をもって感じた」と明かした。
さらに、台湾の台北で開催された『メディカル台湾2023』に招かれ出席したことにふれては「台湾ではOMETAと、現地の医療機器メーカーで組織する台北医療器材商業同業会が、業務協力に関する覚書を結んだほか、台湾の医療機器メーカーを見学した。その時にメーカーの方に、台湾国内の市場は縮小しており、売上利益率の95%は海外市場である――との話を聞いた。今はネットで色々と調べられる時代だが、現場に行き、生の情報を聞くことも大事だと思う」と現場目線の大切さを説いた。
このあと、矢野守専務理事が議事審議に関して、新型コロナウイルス拡大防止の観点から、事前に会員に議案書を送付して書面議決済みであることを説明し、議決済みの22年度事業・決算報告、23年度事業計画・活動計算書、23年度役員名簿、厚生労働省証明書・照合手数料の変更の件――などの内容を報告した。
このうち、23年度事業計画では、ODAで供与された医療機器などが正常に作動し、有効かつ永続的に機能することを目的に、適切なフォローアップに向け、医療機器の保守管理の維持・改善に協力していく。
また、現地医療機関の安定と健全な発展を助成し、さらに、わが国の国際協力事業を支援するとともに、日本製医療機器の海外市場における信用保持に寄与するボランティア活動を実施していく。
総会終了後は「OMETA特別講演会2023」として、経済産業省商務サービスグループ医療・福祉機器産業室の廣瀬大也室長が『経済産業省の医療機器・福祉機器の海外展開支援』、ボリビア国サンタクルス支部職員の渡邉英樹氏が『海外移住事業団ボリビア開拓事業~沖縄県民移住の体験談』をテーマに、それぞれ講演した。