業界団体

「JASIS2022」開催【JAIMA、JSIA】

3日間合計で12,465人が来場

開会式でのテープカットの様子

日本分析機器工業会(会長=中本晃氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=長谷川壽一氏、JSIA)は共催して、9月7日㈬~9日㈮の3日間、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、アジア最大級の分析・科学機器の展示会「JASIS2022」を開催した。展示会はリアルとWebによるハイブリッド形式で行われ、リアル展示は出展社数が3年ぶりに300社を超え、322社(前年比119%)、982小間(同113%)の規模で開催され、3日間合計の来場者数も昨年より3975人増の1万2465人となり、終日にわたりにぎわいをみせた。なお、Web展示の「JASIS WebExpo」は2023年3月15日まで開催されている。

〝測る〟が支える未来の社会へ

JASIS2022の開会式は7日午前9時40分から、新型コロナウイルスの感染対策として、展示会場内で参加人数を制限して行われた。

中本会長

あいさつした中本会長は、JASISが10周年を迎えたことについて、関係各位に感謝の意を表明したあと「JASIS2022のテーマを『未来発見』で、メッセージを『〝測る〟が支える未来の社会』とした。〝測る〟ことにより、様々な問題を見える化し、JASISで多くの方々との連携を通じて、イノベーションを生み出し、新たなビジネスの発展につながることを願っている」と分析・科学機器業界の一層の発展を期待した。

展示会の内容に関しては「約320社・機関の分析計測機器や関連製品の展示と、約270の新技術説明会やトピックスセミナーなどを開催する。また、6年目を迎える『JASIS WebExpo』はエントランスページを一新し、豊富なコンテンツによりアクセスしやすくなった。バーチャル展示には約80社が出展、講演動画も約60タイトルを掲載予定で、2023年3月まで開催する。JASIS2022は時間的・空間的な制約を超えた『ハイブリッド展示会』として、ご来場いただく全ての皆さまに、これまで以上に実り多き展示会となりますよう、主催者一同全力を尽くしてまいります」と語った。

科学技術の発展と産業活性化へ

長谷川会長

次いで、長谷川会長は「JASIS2022は、昨年に続く万全の感染防止対策を講じて、本日から3日間、『〝測る〟が支える未来の社会』というメッセージを、ここ幕張メッセから発信していきたい」との意気込みを語った。

日本が2050年にカーボンニュートラル実現を目指すことを宣言したことにふれては「経済と環境の好循環を狙った産業政策であるカーボンニュートラルへの挑戦ですが、これこそ科学・分析機器が果たす役割がますます大きくなり、重要になるのではないでしょうか。あらゆる領域の研究開発や生産技術を支援する展示会であるJASIS2022を通して、様々な情報発信を行い、科学技術の発展と産業の活性化を目指すとともに、政府が推進する環境問題解決に向けた研究支援についても新たな知見を提供していきたい」と述べた。

また、「出展企業や来場者の皆さまには、事業拡大や技術向上、情報収集の有益な機会として、大いに実りある展示会となることを願って、主催者一同、精一杯努めてまいります。ご支援のほどよろしくお願いいたします」とし、JASIS2022の成功を祈念した。

DXとGXに分析・科学機器が重要に

藤本審議官

このあと、来賓を代表して、経済産業省の藤本武士大臣官房審議官は「新しい経済様式の中で経産省では、特にDX(デジタルトランスフォーメーション)と、GX(グリーントランスフォーメーション)に力を入れている。どちらにとっても皆さまが開発される機器が重要なベースになるもと考えている」と述べた。

また「企業会員におかれましては、複数の分析機器のデータ形式の統一化、標準化に取り組まれており、この事業が成功すれば製造業の様々な分野で、開発・製造プロセスに革新が進むものと大いに期待している」とし、経産省としても引き続き支援していく考えを表明した。

さらに「今年度はJASIS2022に加え、来年2月にJASIS関西、JASIS WebExpoの開催と、精力的に取り組まれており、大いに期待しております。こうした展示会が世界中の産業を支える分析・科学機器分野の、さらなるイノベーションを生み出すものと考えている」と期待を寄せた。

引き続き、中本会長と長谷川会長、藤本審議官、文部科学省の阿蘇隆之大臣官房審議官、日本分析化学会の早下隆士会長――の5人がテープカットを行い、JASIS2022は開幕した。

「JASIS2022」会場の様子

開幕したJASIS2022は幕張メッセ国際展示場の4・5・6ホールを使い、出展各社が最先端科学・分析システムおよびソリューションを紹介した。各ブースでは製品のデモンストレーションを精力的に行い、製品の特徴や技術力をアピールしていた。

来場者らはそれぞれの研究現場や製造現場で役立つ分析機器や科学機器を求め、会場内を見て回り、実際に製品にふれながら、出展各社の担当者から説明を受け、製品の最新情報を収集していた。

また、隣接会場ではJASIS10周年特別企画の基調講演・座談会や、分析・科学機器業界注目の話題をテーマにしたトピックスセミナー、出展各社が新製品や新技術を紹介する新技術説明会などが行われ、分析・科学機器に関わる様々な情報を提供した。会場には連日、多くの聴講者が訪れ、各講師の講演に熱心に耳を傾けていた。