業界団体

企業の環境変化、医療DXに対応【JIRA】

「2022年度活動方針」を発表

山本会長

日本画像医療システム工業会(会長=山本章雄氏、JIRA)は、4月15日からパシフィコ横浜で開催した2022国際医用画像総合展(ITEM2022)の初日、15日午前11時30分からパシフィコ横浜内で「記者会見」を開き、山本会長がJIRAの22年度活動方針を発表した。

重要4課題に対応し各種活動を展開

記者会見で山本会長はJIRAの重要4課題として、▽DX(デジタルトランスフォーメーション)の拡大▽医療従事者の業務効率向上への貢献▽感染防止対策の啓発▽会員企業の環境変化に伴う共通課題への支援――を列挙して、重要4課題の進捗状況を説明しながら、22年度JIRA活動方針の内容を発表した。

主なな22年度の事業活動としては、①会員企業の環境変化に伴う共通課題への支援②DXの拡大・医療従事者の業務効率向上への貢献③社会自然環境の変化への適応――などを中心に展開していく。

①の会員企業の環境変化に伴う共通課題への支援では『昨今の取り巻く環境への対応』、『薬機法への対応』、『人材育成』の3項目をサポートしていく。

『昨今の取り巻く環境への対応』では、コロナ禍による中国などの都市のロックダウンや、半導体需要の急激な回復・増加、ロシア・ウクライナ情勢による混乱などにより、医療機器の部材調達やコストに大きな影響が生じていることを踏まえ、グローバルでのサプライチェーンで生じている問題なので解決は簡単ではないが、問題を紐(ひも)解いて改善への糸口を探り、JIRAとしても政府へ支援を要請していく。

『薬機法への対応』では、21年度2年目施行で責任役員制度の導入や添付文書の電子化、広告に関する課徴金制度などの制度改正があり、会員企業への周知と対応のフォローアップを行っている。

また、22年度3年目施行のUDI表示や23年度導入予定のサイバーセキュリティ対応では、JIRA関連製品の特性に則した制度対応に向け提言やガイドライン作成を実施してきた。22年度はJIRA会員企業にこれらの対応を周知するなどの支援をしていく。

新入社員向け入門講座をオンデマンド配信

『人材育成』では、様々な制度への対応が必要な医療機器業界における各企業の人材育成に貢献するため、新入社員向けの入門講座となる「総合セミナー」(7月からオンデマンド配信予定)と、中堅社員向けの専門講座「専科セミナー」(計画中)の2つのプログラムを開設する。

②のDXの拡大・医療従事者の業務効率向上への貢献では、診療報酬改定に向け山本会長が医機連副会長・JIRA会長として中医協の保険医療材料専門部会で昨年2回、意見陳述を行った。医療技術としての提案は『医療機器のイノベーションの評価』と『プログラム医療機器等の保険上の評価』の2点で、いずれも今改定で一定の評価を得ることができた。

そのほか、22年度はSaMD(プログラム医療機器)の迅速な市場投入に向け薬事や診療報酬環境の整備のため、▽プログラム該当性、認証基準の作成と記載事例の充実への取り組み▽予見性のある診療報酬上の評価に向けた分析と推進▽会員企業への情報提供および行政等への提言――を推進していく。

③の社会自然環境の変化への適応では、医療機関の診療部門・画像診断部門が多くの電力を消費している実態があるため、数年前からJIRAでは省エネ医療機器の医療機関への導入促進活動を行っている。

その一環として、環境省の定める基準を満たす脱炭素機器のリースに対する補助支援制度(ESGリース促進事業)において、診断機器の対象化に向けて活動を進めている。