医療機器の安定供給を推進へ【医器販協】
「第23回定時代議員会」で浅若会長を再任
日本医療機器販売業協会(会長=浅若博敬氏、東京都文京区、医器販協)は、6月22日㈫午後2時から、東京・大手町の東京會舘LEVEL21で「第23回定時代議員会」を開催した。代議員会では2020年度事業・決算報告を承認したほか、任期満了にともなう役員改選を行い、浅若会長を再任した。なお、今回はコロナ禍を考慮してWebでの参加も可能なハイブリッド開催となった。
総会は小西賢三副会長の『開会の辞』を受け、浅若会長があいさつしたあと、齋藤匡人専務理事が「代議員総数217名中、出席13名、委任状提出196名」と代議員会成立を報告。浅若会長が議長となり、議事録署名人に宮野哲(宮野医療器社長)、西方雅志(いわしや西方医科器械社長)の両代議員を指名し、議案の審議に入った。
議案の審議では2020年度事業報告を齋藤専務理事、20年度決算報告を大川恵理事務局長、監査報告を大森森次監事、20年度公取協医器販協支部事業・決算報告を前田悟事務局次長、監査報告を大森監事が、それぞれ行い、いずれの議案とも原案通り承認、可決した。
行政に提言できる団体へ
医療機器の備蓄の重要性提案
次いで、理事・監事の改選では20・21年度役員候補が発表され、承認後、新役員らによる臨時理事会が行われ、互選により浅若会長の再任を決定した。
会長就任にあたり、あいさつした浅若会長は「2019年6月から会長に就任しましたが、新型コロナウイルス感染症に翻弄され瞬く間に1期2年が経過した感がある。1期目には、行政に提言できる団体への取り組みを重要課題に、基本問題検討委員会を立ち上げ提言の取りまとめを行い、パンデミック時の対応提言案や、新型コロナウイルス感染症発生への対応マニュアルを結実した」と1期目の成果を報告した。
新型コロナウイルス感染症の第一波の後、世界的にサプライチェーンの麻痺という事態に直面したことを振り返っては「医療現場に最も近い医療提供体制を常に支える業界として、パンデミック時の医療機器の安定供給の確保は最重要課題と考え、備蓄の重要性とその実現スキームを行政側に提案している。一過性の議論で終わることなく意見交換を続け、非常時、緊急時に有効な対策を考えていくことが肝要だと考えている」と表明した。
アフターコロナを念頭においた社会、経済システムの再構築の議論が加速する中、デジタルトランスフォーメーション(DX)の検討の必要性を強調しては「DXの身近な例では添付文書の電子化がある。そういった環境下で、検討課題の1つにも掲げている医器販協システムプロジェクトの存在意義を確立し、医器販協ならではの流通のデジタル化への貢献をしていきたい」との考えを明かした。
また、「適正使用支援ガイドラインの検討も重要なテーマで、組織内の流通研究委員会を中心にWG(ワーキンググループ)を設け、行政側との意見交換が始まり、今後、各論検討に向けて議論が加速していくのではないかと考えている」との方向性を示した。
会長として2期目にあたっては「効率かつ機動的に活動できる体制を構築し、コンプライアンスの推進や業界の発展のための重要課題に取り組んでいきたい。医療の安心安全のための適正使用支援、安定供給を継続できるよう、高い倫理観を持ち続け、信頼される業界として発展していきたい」と医器販協の各種事業への理解と協力を呼びかけた。
重要10課題を掲げ各種事業を展開へ
議案の審議後は報告事項として、21年度事業計画を齋藤専務理事、21年度事業予算を大川事務局長が、それぞれ報告した。
このうち、21年度事業計画では、重要課題として、①医療機器販売業の地位向上②医療機器の流通の諸課題に対する具体的対策③医療業界のICT化に向けての対応および推進④DXへの対応など考慮した継続的研修の実施⑤大規模災害、感染症発生対策および緊急時の供給体制確保の検討⑥医薬品医療機器等法への対応⑦価格調査および価格改定の毎年実施問題への対応⑧企業倫理行動指針の遵守⑨医療機器業公正競争規約の遵守⑩医器販協組織のあり方の検討――の10項目を掲げ、組織内の5部会、4委員会、1専門研究会で、それぞれの課題に対応した各種事業を展開していく。
なお、公取協医器販協支部は、21年度から『公取協運営委員会』として内部組織化され活動していくことになった。
日本医療機器販売業協会 2021~2022年度役員
◎会 長
浅若 博敬(丸木医科器械)
◎副 会 長
山下 尚登(山下医科器械)
小西 賢三(小西医療器)
阿部 篤仁(クロスウィルメディカル)
◎常任理事
五嶋 淳夫(やよい)
梅澤 悟(栗原医療器械店)
冨木 隆夫(冨木医療器)
大畑 裕一(カワニシ)
服部 昌樹(名古屋医理科商会)
◎理 事
竹山 茂樹(竹山)
松本 利光(ムトウ)
柴田 清孝(シバタインテック)
大場 一彦(岡崎医療)
益子 和大(日成メディカル)
秋沢 英海(ウイン・インターナショナル)
髙橋 一巳(MM コーポレーション)
国分 雅広(サンメディックス)
上條 栄規(上條器械店)
宮本 治郎(丸文通商)=新任
野中 治男(協和医科器械)
佐野 康彦(佐野器械)
土手 克己(三笑堂)
森川 卓(いわしや森川医療器)
堀井 啓(大黒)
尾形 龍紀(四国医療器)
吉原 徹(シーメック)=新任
秦 一(琉球光和)=新任
阿部 隆夫(シバタ医理科)
二之宮義泰(イノメディックス)
諸平あゆみ(マコト医科精機)
八神 徹(八神製作所)
宮野 哲(宮野医療器)
海井 朗弘(海井医科器械)
髙井 達朗(東京ダイヨー器械店)=新任
◎専務理事
齋藤 匡人(日本医療機器販売業協会)
◎監 事
大森 森次(大森器械店)
市川誠一郎(アイティーアイ)=新任