「JASIS2020」開催【分析工、日科協】
リアルとオンラインで展示を融合
日本分析機器工業会(会長=中本晃氏、JAIMA)と日本科学機器協会(会長=矢澤英人氏、JSIA)は共催して、11月11日㈬から13日㈮の3日間を会期に、千葉県の幕張メッセ国際展示場で、最先端科学・分析システム&ソリューション展「JASIS2020」を開催した。今回は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、実際の展示会と連動し、オンライン配信による「JASIS WebExpo」(ウェブ展示会)を融合したハイブリッド展示として行われた。
過去の来場者の開催要望を得て実施
JASIS2020の開会式は11日午前9時40分から、展示会場内で行われた。
まず、あいさつに立った中本会長は「新型コロナウイルス感染拡大の影響で、延期や中止となる展示会がある中、JASISはこれまでの来場者から多くの開催要望いただいたことから、できる限りの感染予防対策を講じ、関係する全ての人の健康、安全の確保に努めて実施することにいたしました」と多くの開催要望を踏まえての開催であることを強調した。
また、「JASIS2020は出展の約280社・機関の展示と、『新技術説明会』、『オープンソリューションフォーラム』など約300のセッションを開催するほか、今年で4回目を迎える『JASIS WebExpo』の発信力を大幅に強化し、時間的・空間的な制約を超えたハイブリッド展示会として、全ての皆さまに実り多い展示会になるよう、主催者一同全力を尽くしてまいります」と述べた。
科学技術の発展と産業の活性化へ
次いで、矢澤会長は「政府は新型コロナウイルス感染症に対する自粛・制限の緩和で、9月19日からイベントの開催制限を緩和して、感染拡大防止と経済活動の両立をめざし、徐々に社会活動レベルの引き上げを図っている。私たちはJASIS2020の開催を通じて、科学技術の発展と科学産業の活性化に貢献する所存です。加えて、感染症に関する知見獲得の支援や感染症対策の向上に寄与することを期する次第です」と語った。
さらに、「出展企業の皆さま、来場される皆さまに感染防止対策にご理解とご協力をお願いするとともに、業容拡大や技術向上、情報収集などの有益な機会として実りある展示会となるよう、主催者一同で精一杯努めてまいります」とし、支援を求めた。
日本の分析・科学機器を世界に発信
引き続き、来賓を代表して、経済産業省の安居徹大臣官房審議官は「JASISはアジア最大級の分析・科学機器の展示会として例年、国内外から高い関心を集め多くの方が来場されている。また、オンラインによるWebExpoは今年で4回目となり定着しつつある。リアルとオンラインによるシナジーを活かして、日本の分析・科学機器を世界に発信され飛躍の機会となることを期待している」と祝辞を述べた。
このあと、中本会長と矢澤会長、安居審議官、文部科学省の梶原将大臣官房審議官、日本分析化学会の金澤秀子会長――の5人がテープカットを行い、J ASISは開幕した。
開幕したJASIS2020は新型コロナウイルス感染症拡大防止対策として、マスク着用の必須や、会場入り口でのサーモグラフィ体温チェックとアルコール消毒液設置、ソーシャルディスタンスを保ったセミナー会場などの対策が徹底され行われた。
幕張メッセ国際展示場の4~6ホールを使用し、276社が出展(971小間)して最新の分析・科学機器や関連製品・技術を紹介した。各出展者は新型コロナウイルス感染症対策を取りながら来場者に自社製品をアピールした。
来場者数は3日間の合計で7299人となり、従来に比べると少ないが、コロナ禍を考慮すれば、それなりの盛り上がりをみせた。
約300テーマの「新技術説明会」実施
隣接する会場では出展企業による新製品・新技術を紹介する説明会(約300テーマ)が実施された。ソーシャルディスタンスが保たれた会場には連日、多くの来場者が聴講に訪れた。
一方、実際の展示に連動したJASIS WebExpoは9月9日から公開されており、既に前年同時期を上回る約8000人が閲覧している。
展示会場画面から各社のブースやカテゴリー別展示会場をクリックして、出展社(約80社)のブースを訪問するかのように出展社情報を閲覧できるほか、講演・セミナー動画も約50タイトル公開している。
なお、WebExpoは来年3月15日17時まで公開されている。