企業活動

上海に統括会社を設立 - ニプロ

中国での事業の強化、効率化へ

ニプロ(社長=佐野嘉彦氏)は、中国で展開している医療関連事業とファーマパッケージング事業の2事業における経営管理の強化、経営資源の効率化を目的に、中国上海市に中国統括会社「尼普洛(中国)投資有限公司」を設立した。

ニプロの中国における医療関連事業は、透析関連製品を中心に、中国各地に販売拠点を設立して地域に根ざした営業活動を推進する一方、現地にダイアライザの生産拠点を設立し、地産地消のコンセプトのもとに中国での製品とサービスの供給に努めてきた。

透析治療に関しては医療保険適用や富裕層の拡大などの社会構造の変化にともない、拡大する需要に対して医療インフラが不足する状況になっている。

このような中、医療関連事業の継続的な拡大に向け、関連施設の拡充や医療従事者の育成など、従来と異なる形で中国の医療に貢献しつつ、メーカーとしての供給責任を果たすことが重要となる。

一方、中国でのファーマパッケージング事業では、主に製薬メーカー向けに医薬容器の供給を行ってきた。現在、中国市場はグローバル品質基準への大きな転換期を迎えており、世界基準の高品質製品の市場導入とシェア確保が重要になっているため、より当地に根ざした事業展開と迅速な意思決定と業務の効率化が求められている。

米中の対立を背景に、各国が内向きになりつつある世界情勢下においても、ニプロでは中国を両事業における重点市場の1つと位置付け、当地事情にあった事業展開の推進、迅速な意思決定、業務の効率化、経営管理体制の強化を主な目的に、地域統括本部としての本社機能を有する統括会社を設立した。

今後、ニプロは中国で従来から事業展開しているグループ現地企業の医療関連事業3社とファーマパッケージング事業4社を、順次、統括会社の傘下に移管して経営体制の強化を図っていく。