企業活動

インドネシアの医療に貢献 ー ジェミック

「第1回医療・医学フォーラム」開催

インドネシアで開催された「第1回医療・医学フォーラム」

医療機器の製造・販売、医療施設のコンサルティング事業を展開するジェミック(社長=関恕夫氏、東京都中央区、JMIC)は、インドネシアの国営企業立病院、約100病院で組織されるインドネシア・ヘルスケア・コーポレーション(CEO=ダニー・アムラル・イチダン氏、IHC)と共催して、7月24日午前9時30分から、インドネシア・ジャカルタ市内のホテルムリアで「第1回高度医療・医学フォーラム」を開催した。

日本から経産省審議官らが参加

高度医療・医学フォーラムは日本の有する英知をインドネシアの医療従事者に学んでもらうとともに、両国の医療連携とビジネス交流を目的に開催した。フォーラムにはインドネシアの医師をはじめ病院関係者、研究者ら約400人が受講したほか、日本からも大変興味深く意義深いと共感した医療機器関連企業など数十社が同行参加した。

あいさつする経産省の小瀬大臣官房審議官

今年は日本・インドネシア国交樹立60周年記念の年でもあり、冒頭、在インドネシア日本国大使館の安藤重実参事官と、日本から経済産業省の小瀬達之大臣官房審議官が祝辞を述べた。

インドネシア政府からは、保健省のドクター・スラメット副大臣がフォーラム開催に謝辞を述べたほか、国営企業省のエドウィン・ヒダマット・アブドゥラ副大臣があいさつした。

ジェミックとIHCが覚書締結

調印式で覚書にサインしたジェミックの関社長(右)とダニーCEO

このあと、ジェミックとIHCの間で、今後のインドネシアでの医療関連事業の拡大に向けた覚書締結の調印式を行い、ジェミックの関社長とIHCのダニーCEOが覚書にサインした。今後、インドネシアでの医療インフラ整備や、病院事業発展に向けたコンサルタント、医療機器・器材の整備、病院建設・設計に関するアドバイス――などを推進していく。

次いで、IHCグループから、ジェミックとフォーラムの講演者に感謝状の授与式が行われた。

フォーラムでは午前中に、東京大学の長澤泰名誉教授(工学院大学名誉教授)が病院の在るべき建築と医療の密接な関係を講演。また、北里大学医学部の中西秀彦教授が新生児集中治療学について講演を行った。

午後は兵庫医科大学心臓血管外科の光野正孝教授が心臓移植の進歩などについて講演。また、国立病院機構災害医療センターの小井土雄一臨床研究部長(厚生労働省DMAT事務局長)がインドネシアにも地震その他災害が非常に多いことから、非常時の対応などを豊富な経験に基づいて講演を行った。

さらに、ジェミックの関連企業で病院の運営コンサルタントを手がけるアイテックの関丈太郎社長が、これまでの病院運営コンサルタントとしての実績と、今後の病院のさまざまな経営形態などについて講演した。

最後にIHCのダニーCEOが今後の取り組みや、ジェミックとの関係について詳細を説明して、フォーラムは終了した。引き続き、盛大な懇親会が催され、参加者らは情報交換と親交を深め、盛況のうちに次回の開催を約束し、閉幕した。

なお、次回第2回は来年に、同じくインドネシアで『画像診断と先端遠隔医療』をテーマに開催する予定だ。

「メンテナンスセンター」設立へ
人材を育成し故障時に迅速に対応

インドネシアでは従来から医療機器・医療設備の販売形態が、メーカー対ディーラーの1対1の関係のため、緊急事態などでは全く対応できていないのが現状だった。そこで、ジェミックでは今回の覚書の内容だけに留まらず、医療機器を販売した後のメンテナンスの重要性にも着目し、将来的にインドネシア全土をカバーする『メンテナンスセンター』の設立をめざしている。

これについて、関社長は「メンテナンスに関してはメーカー対インドネシア全土の技術者を対象にメンテナンス専門学校を設立して、メンテナンス人材を育成しいきたい。育成したメンテナンス専門家はメンテナンスセンターで一括管理して、医療機関がメンテナンスセンターに連絡をすれば故障機器の専門家を一番近い地域から派遣し、スピーディーかつタイムリーな対応を可能にするシステムの構築に全力を注いでいきたい」とコメント。今後もインドネシアの医療の発展に貢献していく考えを表明している。