コニカミノルタ、プレシジョン・メディシン分野(個別化医療)に本格参入
コニカミノルタ(社長=山名昌衛氏、東京都千代田区)と産業革新機構(社長=勝又幹英氏、東京都千代田区)は、共同で遺伝子診断企業の米国アンブリー・ジェネティクス社(会長兼社長=チャールズ・ダンロップ氏、カリフォルニア州、AG社)の買収に向けた契約を締結した。これによりコニカミノルタはプレシジョン・メディシン分野(個別化医療)に本格参入する。
手続き完了後に8億米ドルを支払い、業績連動型のアーンアウト方式を採用し、AG社の今後2か年度の決算数値に応じて、追加金が最大で2億米�j発生する可能性もある。コニカミノルタが60%、産業革新機構が40%を出資する。
AG社は最先端の遺伝子診断技術を持ち、高度な商品開発力、多様な検査項目、高い検査処理能力、遺伝子カウンセラーチャネルでの強みを背景に、がん領域を中心に米国の遺伝子検査市場でシャアを伸ばしている。
カリフォルニア州の大規模ラボでは、100万件を超える遺伝子検査の実績を持ち、500種の遺伝子で4万5000以上の突然変異を特定している。
今回の買収により、コニカミノルタはAG社の遺伝子診断技術やIT解析技術、検体検査ラボ、サービス事業−−などを取得。これにコニカミノルタの固有技術のタンパク質高感度定量検出技術(HSTT)と、AG社の遺伝子診断技術を合わせることで、患者のグループ化や新薬開発に欠かせないコア技術を持つことになる。
今後、コニカミノルタでは、がんを対象に遺伝子診断サービスを提供していく。まずはAG社の実績のある乳がんや卵巣がん、大腸がんなどを対象に遺伝子診断サービスを2018年度からスタートさせる。
【プレシジョン・メディシン(個別化医療)について】
個々人の細胞における遺伝子発現やタンパク質などの特性を分子レベルで判別することで個々の患者を精密にグループ化し、適切な投薬、治療と予防を提供する医療。患者の特性に応じた集団ごとの治療法から疾病予防までを確立することで、適切な投薬、治療が可能になる。